去年の臓器提供 新型コロナ影響で前年比30%減 臓器移植ネット

脳死からの臓器提供は、11年前に脳死になった人の家族の同意で可能になって以降、増加傾向が続いていましたが、去年は前の年から30%減少したことが分かりました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、臓器提供について家族の意向を確認する面会の機会が限られたことなどが影響していると見られています。

日本臓器移植ネットワークによりますと、脳死からの臓器提供は、改正された臓器移植法が2010年に施行され、脳死になった人の家族の同意で可能になって以降、おおむね増加傾向が続いていましたが、去年は68件で、おととしの97件からおよそ30%減少しました。

月別に見ると、去年9月には12件あった一方で、1回目の緊急事態宣言が出された去年4月は5件、感染が急拡大した去年12月は1か月間、臓器提供がありませんでした。

この背景について日本臓器移植ネットワークは救急医療の現場でコロナ患者の対応に追われたことや家族と面会して説明したり、提供の申し出を受けたりするのが難しかったことなどが考えられるとしています。

日本臓器移植ネットワーク事業推進本部長の林昇甫医師は「丁寧な説明を行い、ご家族の総意として同意いただくことが欠かせないが、去年は厳しい面会制限で非常に困難だった。ことしは感染対策が明確にできるようになったことや医療従事者へのワクチン接種が進んだこともあって、例年並みに戻りつつある。移植を待つ多くの患者さんのためにも医療現場では全力で取り組んでいる」と話しています。