ベトナムにあすコロナワクチン約100万回分提供へ 茂木外相

新型コロナウイルスワクチンの海外への提供をめぐり、茂木外務大臣は、16日にベトナムに対しおよそ100万回分を提供することを明らかにしました。また、7月上旬にもインドネシアやタイなど、東南アジアの4か国にワクチンを提供したいという考えを示しました。

茂木外務大臣は閣議のあとの記者会見で、先に台湾に対し新型コロナウイルスワクチン124万回分を提供したのに続き、16日にベトナムに対し、日本で製造したアストラゼネカのワクチンおよそ100万回分を提供することを明らかにしました。

また、7月上旬にもインドネシア、タイ、フィリピン、マレーシアの4か国にワクチンを提供したいという考えを示しました。

さらに、台湾やベトナムへの追加の提供や、ワクチンを分配する国際的な枠組みを通じた供与も検討していく方針を示しました。

茂木大臣は、新たなワクチン提供を調整しているのはいずれもASEAN=東南アジア諸国連合の国々だとしたうえで「ASEANは日本が提唱した、自由で開かれたインド太平洋を実現していくうえでも極めて重要な国々だ。国内の感染状況やワクチンの不足、そして日本との関係などを総合的に勘案して判断した」と述べました。

ベトナム 首相「心より感謝」

日本政府が新型コロナウイルスのワクチン、およそ100万回分をベトナムに提供すると決めたことについて、ベトナムのファム・ミン・チン首相は、日本の大使と会談して感謝の意を示しました。

ベトナムのファム・ミン・チン首相は15日午前、首都ハノイで日本の山田滝雄大使と会談しました。

冒頭、山田大使は、日本政府が日本で製造されたアストラゼネカのワクチン、およそ100万回分をベトナムに無償で提供すると決定したことを伝えました。

これに対して、チン首相は「べトナム国民と政府を代表して菅総理大臣と日本国民に心より感謝を申し上げたい」と述べました。

そのうえで「日本からのワクチン提供は、よいタイミングでの贈り物で、困難な状況での分かち合いを示すものでもある。最大限に有効活用したい」と述べました。

ベトナムは、厳格な対策で新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込んできましたが、ことし4月末から感染が再拡大していて、累計の感染者数は1万人を超えました。

そうした中でワクチンの接種が進んでなく、13日時点で国民のうち、ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は、東南アジアの中で最も低い1.4%余りにとどまっていて、ワクチンの調達が課題になっています。