NATO “中国 国際秩序への挑戦”アジア太平洋各国と連携強化へ

NATO=北大西洋条約機構の首脳会議がアメリカのバイデン大統領も出席して開かれ、共同宣言で「中国の野心と強引なふるまいは国際秩序への挑戦だ」として、NATOとして中国への対応を重視し、日本などアジア太平洋の各国との連携を強化する方針を示しました。

NATOの首脳会議は14日、ブリュッセルの本部でアメリカのバイデン大統領も出席して開かれ、共同宣言を採択しました。

このなかで「中国の野心と強引なふるまいはルールに基づく国際秩序とNATOが関わる安全保障への挑戦だ」として、NATOとして中国への対応を重視し日本や韓国、オーストラリアなどアジア太平洋の各国との連携を強化する方針を示しました。

さらに中国に対して宇宙やサイバー空間、海洋を巡り国際的なルールに沿った責任ある行動を取るよう求めたほか、重要なインフラや高速・大容量の通信規格5Gを含む情報通信ネットワークの安全性を強化する必要性を確認したとしています。

そのうえで今後10年の課題とその対処の方針を示すNATO改革案にロシアと並んで中国への対応も盛り込み、新たな戦略として打ち出す方針です。

中国を巡っては前日のG7サミット=主要7か国首脳会議の首脳宣言で海洋進出などに深刻な懸念を表明し、台湾海峡の平和と安定の重要性に初めて言及していて、これに加え今回のNATO首脳会議でも欧米の各国として安全保障面での関与を強める姿勢を明確にしました。

米バイデン大統領「集団的自衛権は義務」

アメリカのバイデン大統領はNATO首脳会議のあと記者会見し「アメリカが戻ってきたことに会場の誰もが感謝の意を表していた」と述べて、トランプ前大統領の在任中に揺らいだ加盟国との関係を修復することができたという認識を示しました。

そして北大西洋条約で集団的自衛権の行使を定めた第5条について「厳粛なる義務だ」と述べ、かつてトランプ前大統領が責任を果たすと明言しなかったこととの違いを強調しました。

またバイデン大統領は「ロシアや中国は大陸をまたいだ結束にくさびを打ち込もうとしており、悪意あるサイバー上の活動が増加している」と指摘し、「われわれは民主主義こそがこの時代の挑戦に打ち勝つことができるのだということを世界にそして国民に向けて証明しなければならない」と訴えました。

そして同時多発テロ事件から20年にあたることし9月11日までにアフガニスタンから軍を撤退させることについては「アフガニスタンの人々や軍、治安部隊のための外交や経済、人道面での支援は続くことになる」と述べたうえでアフガニスタンが再びテロ組織の「聖域」とならないよう努めたいという考えを示しました。

NATO事務総長 中国の活発な活動に懸念

NATOのストルテンベルグ事務総長は首脳会議の後の記者会見で中国について「影響力の拡大と国際社会で展開する政策はNATOの安全保障にとっての挑戦だということを示している」と述べ、海洋進出などの中国の活発な活動に懸念を示しました。

また「中国は弾頭や最新式の運搬システムとともに核兵器を急速に増やしている」と強い警戒感を示し、NATO全体として対処していくことで各国が一致したと明らかにしました。

中国は強く反発

NATO=北大西洋条約機構の首脳会議で「中国の野心と強引なふるまいは、ルールに基づく国際秩序とNATOが関わる安全保障への挑戦だ」とする共同宣言が採択されたことについて、中国のEU代表部は談話を発表し「中国の平和的発展を中傷し、国際情勢と自身の役割を見誤ったものだ。冷戦思考が続いており、集団政治の心理が災いしている」と強く反発しました。

そのうえで「世界の人々は、誰が世界中に基地を持ち、誰の空母が至るところで武力を誇示しているか、しっかりと見ている。NATOには、中国の発展を理性的に見て、さまざまな形で中国脅威論をあおるのをやめるよう忠告する」としてアメリカやNATOをけん制しました。