入居するテナント企業従業員にもワクチン接種 大手不動産会社

新型コロナウイルスのワクチンの職域接種の実施に向けた準備が進む中、大手不動産会社では、より多くの人に効率的に接種するため、運営するオフィスビルなどに入居するテナント企業にも接種の対象を広げる動きが出ています。

オフィスビルやホテルを展開する「森トラスト」は、6月21日から東京都内と仙台市の4つの会場で職域接種を行う計画です。

この会社は、委託先も含めた従業員数は、3000人ですが、運営するオフィスビルに入居するテナント企業にも接種の対象を広げることを決めました。

テナント企業には、▽従業員が1000人未満で職域接種の要件を満たさない企業が多い上、▽大企業であってもワクチンの打ち手や会場の確保が難しいという声が寄せられていたことから対象の拡大を決めたとしていて対象は、少なくとも300社、合わせて4万2000人に上ります。

接種の際には個人情報を扱うことから、テナントごとに時間帯を分けて接種を行いますが、各社が共同で使える予約システムを導入するなどして、効率的な運営を目指すとしています。

森トラストの総務人事部の田村典子さんは「医療資源は限られているので、テナント企業と協力することで接種を加速させ、安心してオフィスに来てもらえる環境を早くつくりたい」と話しています。