ワクチン保管の冷凍庫 一部製品で温度が急に上昇の可能性

新型コロナウイルスのワクチンを保管する冷凍庫について、厚生労働省は、一部の製品で温度が急に上昇する可能性があるとして、保管温度を過去にさかのぼって点検するよう自治体に求めています。

ファイザーのワクチンを保管する冷凍庫をめぐっては、川崎市が、一時、保管温度が8度から9度ほどに上昇していたとして、13日、6300回分余りを廃棄することを明らかにしました。

製造した東京 目黒区の「EBAC」は、製造上の不備が原因で、温度が急に上昇する可能性があるとして、同じ工程で製造した冷凍庫の自主回収を進めています。

厚生労働省によりますと、これまでに国が購入して自治体に配備した冷凍庫のうち、回収の対象となっているのは、大阪府や兵庫県など25府県で合わせて294台に上るということです。

冷凍庫には、保管温度を過去にさかのぼって確認できる機能がついているということで、厚生労働省は自治体に対し、急な温度の上昇がなかったかを点検したうえで、新しい製品に交換したあとも温度の推移をこまめに確認するよう求めています。

これまでに川崎市以外の自治体からも「温度が上昇した」という報告が寄せられていますが、ワクチンの廃棄には至っていないということです。

EBACは「一部のワクチンが廃棄に至ってしまい、申し訳ない。二度と同じ問題が起きないよう品質管理などを徹底したい」とコメントしています。

回収対象の冷凍庫 配備先

厚生労働省によりますと、自治体に配備された冷凍庫のうち自主回収の対象となっているのは、
▼大阪府が44台、
▼愛知県が30台、
▼兵庫県が24台、
▼熊本県が21台、
▼福岡県が16台、
▼京都府と和歌山県、それに岡山県が15台、
▼滋賀県が14台、
▼広島県が12台、
▼鹿児島県が11台、
▼愛媛県と大分県が10台、
▼長崎県が8台、
▼奈良県と鳥取県が7台、
▼島根県と佐賀県が6台、
▼高知県と山口県が5台、
▼富山県と三重県が4台、
▼香川県が3台、
▼静岡県と徳島県がそれぞれ1台となっています。