G7各国 途上国インフラ整備へ新構想 中国「一帯一路」に対抗

イギリスで開かれているG7サミット=主要7か国首脳会議で各国は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗する、途上国のインフラ整備を支援するための新たな構想を立ち上げることで合意しました。

G7サミットはイギリス南西部のコーンウォールで開かれていて、2日目、12日の討議では各国の首脳が世界経済や外交政策、それに新型コロナウイルス対策の3つの分野を中心に意見を交わしました。

アメリカのホワイトハウスの発表によりますと、G7の首脳は、発展途上国でのインフラ整備の需要に応えるための新たな構想を立ち上げることで合意したということです。

中国の習近平国家主席が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」に対抗するためのもので、民主主義という共通の価値観を持つG7各国が中心となり、インド太平洋地域からアフリカ、中南米を含む世界各地の途上国で、透明性が高く、持続可能で、地球環境に優しい形でのインフラ整備を支援していくとしています。

アメリカや各国の政府系機関などによる公的な資金とともに、民間の資金を集め、合わせて数千億ドル、日本円で数十兆円の規模のインフラ投資を進めていくということです。

この構想の立ち上げを主導してきたバイデン政権としては、民主主義という共通の価値観を持つ主要国とともに、途上国支援のための対抗軸を築くことで各国の信頼を引き寄せ、中国に対抗していこうというねらいがあると見られます。

また、G7の首脳はゲスト国の韓国やインドなどの首脳と、新型コロナウイルスの感染拡大を教訓に同じような被害を繰り返さないための対応を議論し、ワクチンの開発期間を100日未満に短縮することなどを盛り込んだ「カービスベイ宣言」の採択で合意しました。

ミャンマー人らが行動求めるデモ

サミットが開かれているコーンウォールでは、大勢の人たちが、G7の首脳に対し、ミャンマーの民主主義のために行動するよう求めてデモを行いました。

デモは、12日、メディアセンターがある港町のファルマスで行われ、イギリス各地から集まったミャンマー人など数百人が参加しました。

集まった人たちは、プラカードなどを掲げながら、「ミャンマーの民主主義や自由のためにG7の首脳たちは具体的な行動を起こすべきだ」と訴え、町なかをデモ行進しました。

ミャンマーから留学しているという21歳の男性は、「G7の首脳たちは議論するだけでなく、問題の解決に向け行動してほしい。このまま民主主義が忘れ去られてしまったら、軍が統治を進め、市民がさらに犠牲になるだろう」と懸念を示していました。

また、ロンドンから参加したというミャンマーの女性は、「G7の首脳たちは、単に声明を発表するだけでなく行動を起こすべきだ。ミャンマーの状況はどんどん悪化している。何とかこの状況を止めてほしいと思うが、国際社会の反応にはがっかりしている」と怒りをあらわにしていました。

最終日の焦点は

11日に始まったG7サミットは13日、最終日を迎えます。

討議の中心は気候変動です。

議長国のイギリス政府は風力発電といった環境面でのインフラ整備が加速するよう、G7として途上国に対する資金調達を支援する計画について合意する見込みだとしていて、ことし秋にイギリスで開かれる地球温暖化対策の国連の会議COP26の土台になると位置づけています。

そして現地時間の13日午後2時すぎ、日本時間の13日夜10時すぎにジョンソン首相が記者会見し、3日間の成果を発表することになっています。

イギリス空軍がアクロバットで歓迎

イギリス空軍のアクロバット飛行隊、「レッド・アローズ」がG7サミットが開かれているコーンウォールで12日、G7の首脳たちを歓迎しました。

9機の赤いジェット機は、スモークを使って赤や白、青のラインを上空に描き夕食のバーベキューのために浜辺に集まったG7やゲストとして招待された国々の首脳たちにアクロバット飛行を披露しました。

環境団体によるデモも

サミットが開かれているコーンウォールでは12日、環境団体がG7各国の気候変動対策に抗議するデモを行いました。

メディアセンターがあるファルマスには、1000人を超える人たちが集まり、プラカードなどを掲げながら町なかを行進し、政府に対し、具体的な行動を求めました。

中には、G7の首脳のマスクをかぶった人たちや、地球儀を担架で運ぶ医療従事者にふんした人たちなどもいて、気候変動対策が早急に必要だと訴えました。

環境団体の代表は「これはG7の首脳たちの偽善的な環境への配慮に対する挑戦だ。彼らは、口約束ばかりで実際に行動しようとしない。行動を起こすときだと促すためにここに来た」と話していました。