12歳以上へのワクチン個別接種 7月開始へ 広島 神石高原町

高齢者に続き、64歳以下の住民への新型コロナウイルスのワクチン接種が進む広島県の神石高原町は、広島県内の自治体としては初めて、来月、12歳以上への個別接種を開始することを決めました。

11日は町の職員が接種券や予診票、それにワクチンの効果が書かれた説明書などを封筒に入れて、町に住むすべての12歳から15歳までの児童と生徒、およそ230人を対象に発送に向けた作業を行いました。

人口8600人の神石高原町では、65歳以上の高齢者の8割近くが1回目の接種を終え、64歳以下の住民を対象にした接種も進められています。

今月、国がファイザーのワクチンについて12歳から15歳についても接種の対象としたことから、町は来月4日から接種を開始することを決めたということです。接種には保護者の同意が必要で、町のコールセンターやウェブの特設サイトから予約をしたうえで、町内の医療機関で受けることになるということです。

12歳以上への接種をめぐっては、集団接種を決めた自治体に抗議が殺到し個別接種に切り替えるケースも出ています。町は、希望する人が接種を受けられるよう、個別接種の機会を設けることにしたと説明しています。

神石高原町の松井和寛保健福祉課長は「住民の方から、いつ子どもも受けられるのかという問い合わせもある。準備を進め速やかに接種を始めたい」と話していました。

専門家「副反応についても説明し本人も同意したうえで」

12歳以上へのワクチン接種について厚生労働省の「予防接種・ワクチン分科会」で、分科会長代理を務める川崎医科大学の中野貴司教授は「海外のデータをもとに、一定の有効性と安全性が確認されたので、国内でも対象に認められた」としたうえで「子ども含め若い世代への接種は、社会でのまん延を防ぐ意味合いがある」と話します。

そのうえで中野教授は、「『接種のあと熱が出ても、そのときはつらいけどおさまってくるんだよ』と副反応についても説明し、本人も同意したうえで接種を進めることが大切だ」と指摘しています。