大企業景況感 2期連続のマイナス 緊急事態宣言が影響

財務省などが発表した「法人企業景気予測調査」で、ことし4月から今月にかけての大企業の景況感を示す指数が緊急事態宣言の影響などからマイナス4.7と、2期連続のマイナスとなりました。

この調査は、財務省と内閣府が資本金1000万円以上の企業を対象に3か月ごとに行っていて、1万社余りが回答しました。

この中で、4月から今月にかけての自社の景気の受け止めを聞いたところ、大企業では前の3か月と比べて「上昇した」と答えた企業の割合から「下降した」と答えた企業の割合を差し引いた指数がマイナス4.7となりました。マイナスは2期連続で、前の期のマイナス4.5よりも悪化しました。

業種別にみますと、緊急事態宣言の影響で飲食や宿泊などのサービス業がマイナス6.2に落ち込んだほか、小売業もマイナス20.2となりました。

また、半導体不足を背景にした自動車の減産の影響で、自動車や部品のメーカーがマイナス16.3となるなど、製造業全体でも4期ぶりのマイナスとなりました。

このほか、中堅企業は全体で、マイナス9.0となったほか、中小企業はマイナス25.5でした。

一方、来月から9月にかけての大企業の景況感は、7.7のプラスに転じる見通しで財務省は「ワクチン接種が進み、経済活動が再開されることへの期待感がみられる」としています。

西村経済再生相「非製造業や中小企業が厳しい」

これについて西村経済再生担当大臣は閣議のあとの会見で「ことし4月から6月は緊急事態宣言の影響で飲食・宿泊など非製造業が厳しい。また、中小企業の景況感は改善していく傾向にはあるが依然、厳しい状況なので、無利子・無担保融資や事業者向けの協力金などをできるだけ早く支給したい」と述べ、新型コロナウイルスの影響を受ける企業への支援策を着実に行う考えを示しました。

一方、景気の先行きについて西村大臣は「10月から12月については非常に高い期待感もある。自粛疲れもあるが、消費したいという意欲は高いと思っている。宣言期間中にしっかり感染を抑え込み、ワクチン接種も進め、ことし後半の回復につなげたい」と述べました。