高齢者がキャンセルしたワクチンを保育士らに 水戸

新型コロナウイルスの高齢者のワクチン接種で、水戸市はワクチンがむだになるのを防ぐとともに子どもの感染リスクを下げようと、市内の保育所や幼稚園などの職員をキャンセル待ちリストに登録し、急なキャンセルが出た場合接種を進めています。

水戸市は、高齢者のワクチン接種で急なキャンセルが出た場合に接種を受けるリストに市内の保育所や幼稚園、それに小中学校などで働く合わせて4000人以上の職員を登録しています。

市内では、これまでに複数の保育所や幼稚園などで集団感染が発生してきたことから、職員の接種を進めることで子どもの感染リスクを下げることにつなげようという取り組みです。

このうち、水戸市河和田の保育所では1年以上にわたって、子どもたちの感染を防ぐ対策を続けてきたといいます。

子どもたちには食事の際は同じ方向を向いて食べるよう指導してきましたが、年齢の低い子どもはマスクを付けるのも難しく、さらにだっこなどが必要で、密を避けられない状況もあったといいます。

一方、職員たちは1日2回体温を測定し、保育所以外で訪れた場所とともに記録をつけてきました。

保育士の内記知子さんは、感染拡大が始まって以来1回も県外に出ておらず、休日でも日用品の買い物など以外ほとんど出かけていないといいます。

内記さんは「子どもたちの安全や安心を守る仕事なので、職員から子どもたちにうつしてしまうことはいちばんあってはならない。とても気をつかっています」と話していました。

10日、この保育所に保健所から市内の2つの接種会場で2人分のキャンセルが出たと連絡がありました。

職員たちは仕事を抜けて、キャンセルが出た医療機関などに向かいワクチンの接種を受けました。

接種を受けた内記さんは、「生活スタイルなど気を付けなければならないことが増え、気持ち的につらいときもありましたが、少し安心できました」と話していました。

水戸市保健所によりますと、この取り組みで10日までにおよそ150人の職員が接種を受けたということです。

水戸市立河和田保育所の海老原夏代子所長は「先生たちにも家庭があるなか、いろいろな面で我慢しながら生活してもらっています。子どもたちを守るためにも今回のようにキャンセル枠で接種を受けられるのはとてもありがたいです」と話していました。