大リーグ 粘着性物質つける不正投球問題 ダルビッシュが言及

大リーグのピッチャーが粘着性の物質をつけて不正な投球を行う問題について、パドレスのダルビッシュ有投手が9日、日本選手で初めて言及し「昔から使われてきたが、度を超す人が出てきた。ちゃんとした方向にいくことを願っている」と話しました。

野球でピッチャーが滑り止めのロジン以外に粘着性の物質を指につけて投げることは禁止されています。

しかし大リーグでは長年、多くの選手が松やになどを指につけて不正な投球をしていると指摘されていて、今月、アメリカの複数のメディアが、大リーグ機構が取締りの新たなルールを導入すると伝え、大きな議論となっています。

この問題について、大リーグで2012年からプレーするダルビッシュ投手が9日の試合後に日本選手で初めて言及し「昔からメジャーでは使われてきたが、大リーグ機構もわかっていて見て見ぬふりをしていた」と実態を明かしました。

大リーグでも屈指の多彩な変化球を操ることで知られるダルビッシュ投手は、自身は禁止物質を使用していないとしたうえで「一定のラインを越えて度を超す人が出てきた。付けるだけですごい変化球を投げられるというのは行き過ぎだ」と不満を示しました。

そして「僕が一生懸命に変化球を考えて、それを人に教えたりするが、最近は意味があるのかと悩みがあった。ちゃんとした方向にいくことを願っている」と話しました。

背景に「滑りやすいボール」

大リーグの不正投球問題の背景には「滑りやすいボール」があります。

一般的に大リーグのボールは日本のプロ野球のボールよりも滑りやすいとされ、これまで大リーグに挑戦した多くの日本選手も対応に苦しんできました。

2014年には当時ヤンキースのピネダ投手が登板中に首筋に松やにがついていることが確認されて退場となり、10日間の出場停止処分を受けました。

アメリカのメディアは、こうした滑りやすいボールに苦しむピッチャーが少しでも指をかけやすくするためにルールで認められている滑り止めのロジンだけでなく、より粘着性のある禁止物質を長年使用してきたと伝えています。

使われている禁止物質は松やにのほか日焼け止めのクリームや整髪料などさまざまで、ピッチャーは登板前にあらかじめグローブの内側や首の裏、手首などにこうした物質を塗り付け、それをボールに付けていたとされています。

これらはもちろんルール違反ですが、近年、禁止物質がさらに進化したことでボールの回転数や変化球のキレが大きく向上したという疑惑があり、ここにきて問題が表面化した形です。

ヤンキースのエースで今シーズン7勝をあげているゲリット・コール投手は8日「こうした禁止物質を使ったことがあるか」と会見で問われ「正直、何と言っていいか分からない」と回答を避けました。

コール投手は「自分たちよりも前の世代から引き継がれてきた慣習というものはある。ただ、この件で現在は確かに境界線を越えているものもあると思う」と話し、大リーグで禁止物質が長年使われてきたことを示唆していました。

また、ダルビッシュ投手は5日、自身のツイッターに「ボールに問題があると大リーグ機構はわかっているのにずっと滑りまくるボールを提供してくる。わかってるんだからそっちを先にどうにかしましょう」と投稿し、ボールの問題を指摘しています。