ワクチン廃棄防止へ 冷凍庫の温度自動監視システム導入 埼玉

新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、温度管理の不備から廃棄されるケースが各地で相次ぐ中、埼玉県北本市は冷凍庫の温度を自動で監視するシステムを新たに導入しました。

北本市では先月7日から高齢者施設の入所者などへのワクチン接種が行われていますが温度管理のミスによる廃棄を防ごうと、今月新たなシステムを導入しました。

ワクチンを保管している4台の冷凍庫の温度表示をカメラで1分ごとに撮影し専用のソフトで読み取る仕組みで、これにより職員が定期的に見回る手間が省け、離れた場所でパソコンで温度を確認できるということです。

また異常が確認された場合は、複数の担当者に一斉にメールで知らされるということです。

北本市健康づくり課の野沢護主事は「このシステムを使って適切なワクチン管理を行い、引き続き市民に安心してワクチンを接種してもらう環境を構築していきたい」と話していました。

東京 墨田区 独自リストでチェックも

一方、新型コロナウイルスのワクチン接種で、接種や保管をめぐって各地でミスが相次ぐなか、東京 墨田区では集団接種会場で接種が適切に行われているかをチェックする取り組みを始めました。

新型コロナのワクチンをめぐっては、濃度の薄いワクチンを打ってしまったり、保管方法を誤って廃棄したりするミスが各地で相次いでいます。

このため墨田区ではおよそ50項目にわたる独自のリストをつくり、接種が適切に行われているかをチェックする取り組みを始めました。

ふだん診療所で衛生管理を行う区の職員がチェックを行う検査員に任命され、10日は区役所に設けられた集団接種会場で検査員が2人1組になり、ワクチンが保管された冷蔵庫が適切な温度に設定されているかや、コンセントのプラグが抜けやすい状態になっていないかなどを確認していました。

また、ワクチンを薄めるために使う生理食塩水を誤って接種するミスも起きていることから、ワクチンの容器が適切に管理されているかや、間隔をあけずに2回接種してしまうミスを防ぐため、予診票の確認が徹底されているかなどもチェックしていました。

墨田区によりますと、区内では集団接種会場を4か所設けていてミスは発生していないということですが、今後、接種の対象者が拡大することから定期的に抜き打ち検査を行ってくということです。

墨田区生活衛生課の村田里美課長は「全国でミスが起きているため、ここで身を引き締めてやっていく必要があると思います。検査で気付いたこと、こうしたほうがいいということを蓄積していき、皆さんが安心して接種を受けられれば、コロナの終息につながっていくと思います」と話していました。