日豪「2プラス2」閣僚協議 自衛隊と豪軍との防衛協力強化へ

日本とオーストラリアの外務・防衛の閣僚協議が開かれ、中国の海洋進出に対する深刻な懸念を共有し、両国の防衛協力を強化するため、自衛隊が他国の艦艇などを守る対象にオーストラリア軍を加えることを確認しました。

およそ2年半ぶりとなる、日本とオーストラリアの外務・防衛の閣僚協議、いわゆる2プラス2はオンラインで行われ、日本側から茂木外務大臣と岸防衛大臣が、オーストラリア側からペイン外相とダットン国防相が参加しました。
冒頭、茂木大臣は中国を念頭に「インド太平洋地域での戦略的競争が激化し、力による一方的な現状変更の試みにより、国際秩序が大きな挑戦を受けている。両国の安全保障や防衛協力を新たな次元に引き上げるための大局的な議論を行いたい」と述べました。
また岸大臣は「基本的価値や戦略的利益を共有する同志国の結束がこれまで以上に求められている。自衛隊とオーストラリア軍は、インド太平洋地域の平和と安定に貢献していく存在へと進化を遂げていかなければならない」と述べました。

協議では、中国による東シナ海や南シナ海への進出に対する深刻な懸念を共有し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、連携を強化することを確認しました。

また台湾海峡の平和と安定が重要であり、両岸問題の平和的解決を促すことでも一致しました。

さらに、防衛協力を一層強化するため、自衛隊が他国の艦艇などを守る「武器等防護」の対象にオーストラリア軍を加えることや、自衛隊とオーストラリア軍が共同訓練や災害支援をより円滑に行えるようにする新たな協定の署名に向けて、調整を加速させることも確認しました。

「武器等防護」の対象はアメリカ軍に次いで、オーストラリア軍で2か国目になります。

岸防衛相「日豪は特別な戦略的パートナー」

岸防衛大臣は協議のあと記者団に、「日本とオーストラリアはともにアメリカの同盟国で、基本的価値や戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーだ。オーストラリア軍の武器等の警護は、インド太平洋地域で自衛隊との相互運用性を高めて、平素から連携する基礎となり、わが国の平和と安全および日豪協力にとっても重要な意義がある」と述べました。

専門家「両国の防衛協力の強化 さらに勢い得ている」

協議のあと、オーストラリアのペイン外相は自身のツイッターに「日本との特別な戦略的パートナーシップはこれまでになく重要になっている。われわれは開かれた、包括的で繁栄したインド太平洋にともに取り組んでいく」と投稿しました。

日本とオーストラリアの関係に詳しいオーストラリア国立大学講師のローレン・リチャードソン氏は、両国の関係は、互いの同盟国であるアメリカに次いで、重要な安全保障上のパートナーだとしたうえで、9日の閣僚協議の結果について「中国が東シナ海や南シナ海、それに台湾海峡で活動を活発化させていることを受けて、日本とオーストラリアの防衛協力の強化はさらに勢いを得ている」と分析しています。

オーストラリアは去年、新型コロナウイルスの発生源をめぐる独立調査が必要だという見方を示して以降、これに強く反発した中国との間で関係が冷え込んでいます。

リチャードソン講師は「オーストラリアは大国ではなくミドルパワーで、1国だけでは中国に対抗できない。両国は中国への懸念を共有していることから、オーストラリアにとっては日本の重要性がさらに増していく」と述べて、日本とオーストラリアの連携は今後さらに強化されるという見方を示しました。

中国「理由もなく内政に干渉」

日本とオーストラリアの外務・防衛の閣僚協議で、中国の海洋進出に対する深刻な懸念を共有したことについて、中国外務省の汪文斌報道官は9日の記者会見で「日本とオーストラリアは、いわゆる中国脅威論をあおりたて、中国に対し悪意を持った非難や攻撃を行い、理由もなく内政に干渉しており、断固反対する」と反発しました。

そのうえで「両国には他国の主権を尊重し、内政干渉をやめ、地域の平和と安定を壊さないよう求める」と述べました。