「進撃の巨人」最終巻発売 編集者に聞く“人気のワケ”

累計発行部数が1億部を超え、国内外に読者が広がっている人気漫画「進撃の巨人」の最終巻が9日、発売されました。
10年以上にわたって人々を魅了しているのはなぜなのでしょうか?

物語の舞台は“人を食べる巨人が支配する世界”

諫山創さんの漫画「進撃の巨人」は、人を食べる巨人が支配する世界で主人公と仲間たちが人類の生き残りをかけて巨人に立ち向かっていく姿を描いた物語です。

単行本の累計発行部数は電子版を含め世界で1億部を突破しているということです。
映画化もされるなど高い人気を集めています。
漫画はことし4月に『別冊少年マガジン』で11年7か月におよぶ連載を終え、9日に単行本の最終巻となる「34巻」が発売されました。

講談社によりますと、「進撃の巨人」は世界21の国と地域で出版され、アメリカのハリウッドで実写映画化されることが決まるなど海外にも読者が広がっています。

「最終巻」を手にした読者、書店店員は…

発売当日、東京・渋谷の書店「SHIBUYA TSUTAYA」では最終巻のほかグッズなどを集めた特設ブースが設けられ、開店とともに多くの人たちが次々と作品を買い求めていました。

現場で、読者に作品への思いを聞きました。

読者からは「主人公が理不尽に対する怒りをずっと持ち続けているというのはほかの漫画にはなく、すごく共感できる作品です」とか、「登場人物たちがそれぞれ個性的で、自分に似たキャラクターと重ね合わせて作品を楽しむことができる」といった声が聞かれました。
また、店員の塘慶太さんは「10年以上続いた作品の最終巻ということで感慨深いです。刊行当初から口コミで人気が広がった作品なので、最終巻も手元に置いてこれからも読み続けてもらえればと思います」と話していました。

連載当初からの編集者に聞く“人気のワケ”

「進撃の巨人」は、なぜ長年にわたって人気の作品となったのか。

その理由を連載当初から担当編集を務めてきた『週刊少年マガジン』編集部の川窪慎太郎さんは「巨人という理不尽な存在の前に不自由を強いられ、それに立ち向かおうとする登場人物たちに、現代を生きる人たちの共感が国境をこえて広がり、多くの方々に読んでもらえているのではないか」と分析しています。

また「当初はホラー性の強い作品だったが、途中からミステリーやサスペンスといった要素が濃くなるなど、連載を重ねるにつれておもしろさの質が変化していったことで、読者のすそ野を広げることができたのではないか」と話していました。

「これだけ長く続くとは思ってなかった」

最終巻を迎えたことについて、川窪さんは「まだ実感がなく、終わったという感じがないというのが正直な思いです。ただ、自分にとってこれだけ長く関わった作品はほかにはなく、思い出深い作品であることは間違いないですし、諫山さんと向かい合って打ち合わせをすることがもうないのかと思うと寂しさを感じます。これだけ長く続くとは思っていませんでしたが、連載を始めてから諫山さんの力を疑ったことはなく、無事、最終巻を迎えられてよかったなと思います」と話していました。