JR東海 リニア中央新幹線 工事開始前に住民対象の説明会

「リニア中央新幹線」の地下のトンネル工事を東京都内で始めるのを前にJR東海は、工事区間の直上にあたる住宅街の住民に対して、工事の安全対策について理解を求める説明会を開きました。

8日に東京・品川区で開かれた説明会は、大深度地下と呼ばれる40メートル以上の深さでトンネル工事が行われる区間のルート上にある品川区、大田区、世田谷区の住宅街の住民を対象に開かれました。

同じ大深度地下で行われている「東京外かく環状道路」のトンネル工事では、去年、施工ミスにより直上の東京・調布市の住宅街で土地の陥没や地下に空洞が生じ、補修や対策工事、それに補償の交渉が今も行われています。

陥没や空洞ができたのは、トンネルを掘削する際に土を取り過ぎたことが原因とされたことから、説明会でJR東海の担当者は、工事で取り込む土砂の量を適切に管理することなど安全対策について理解を求めたとしています。

出席した住民は「データに基づいて納得できる説明をしてほしい」と話していました。

JR東海は、地下のトンネル工事の時期を具体的に示していませんが、開始する際にはあらためてルート上の住民に説明会を開くとしています。

JR東海が住民に説明した工事と安全対策の概要です。

▽深さと地盤
JR東海は、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われる場所が、「東京外かく環状道路」のトンネルよりも深い場所であると説明しました。
地表で陥没や空洞が見つかった「東京外かく環状道路」のトンネルは地下47メートルの深さであるのに対し、今回説明会の対象となった品川区から8.2キロの区間は最大で地下90メートルの深さだということです。
その付近の地盤は、東京外かく環状道路のトンネル掘削工事が行われた地盤よりも固く締まっているということです。

▽施工管理を徹底
また東京外かく環状道路のトンネル掘削工事で陥没や空洞ができたのは、土を取り過ぎたことが原因とされたことから、取り込む土砂の量を厳格に管理するとともに地質等の変化を頻繁に確認して施工管理を徹底するとしています。

▽地表面の監視の強化
地表面の変化の監視も強化するとしています。人工衛星で地表面が沈下するなどの異常が起きていないかを確認するほか、トンネル工事が終わった場所についてもしばらくの間車両による巡回監視を続けるなどするということです。

▽工事前の住宅の現状調査
東京外かく環状道路のトンネル掘削工事では、住宅や地盤に被害が出たことから、トンネルのルート上の幅80メートルの範囲の住宅、数千戸を対象に工事の前に住宅の現状を確認する調査を行って、住民の不安の解消に努めるとしています。