旧ユーゴ民族紛争の大量虐殺 セルビア人司令官の終身刑が確定

1990年代に起きた旧ユーゴスラビア、ボスニア・ヘルツェゴビナの民族紛争で大量虐殺などの罪に問われた当時のセルビア人武装勢力の司令官ムラディッチ被告の控訴審で、オランダのハーグに設置された法廷は終身刑とした1審判決を支持し、判決が確定しました。

終身刑が確定したのは1990年代に旧ユーゴスラビアのボスニア・ヘルツェゴビナでセルビア人武装勢力の司令官を務めていたラトコ・ムラディッチ被告(79)です。

ムラディッチ被告は1995年、ボスニア東部の町スレブレニツァでイスラム系住民を包囲し、8000人以上を殺害する虐殺を引き起こしたとして、大量虐殺や人道に対する罪などに問われています。

オランダのハーグにある国連の戦争犯罪法廷は2017年に最も重い刑にあたる終身刑を言い渡したのに対し、ムラディッチ被告は無罪を主張し控訴していました。

控訴審を審理してきた「国際刑事法廷メカニズム」の裁判長は8日、ムラディッチ被告が「重大な役割を主導していた」とした1審を支持する判断を示し、これで終身刑が確定しました。

おととしにはセルビア人勢力の政治指導者だったカラジッチ被告の終身刑が確定していて、これで第2次世界大戦後のヨーロッパで最悪とも言われた大量虐殺を巡る一連の裁判は節目を迎えたことになります。

ただ、現地のセルビア人勢力の間では今もムラディッチ被告を英雄視する声も強く、民族対立は残されたままです。