ロンドン市場の金利指標廃止へ 日銀副総裁が支援を強調

銀行の融資など、さまざまな金融取引で活用されてきたロンドン市場の国際的な金利の指標がことしで廃止されることになり、日本の金融機関の対応が課題になっています。日銀の雨宮副総裁は、金融機関が代わりとなる金利指標に取り引きを円滑に引き継げるよう支援していく方針を強調しました。

ロンドン市場の国際的な金利の指標、「LIBOR」は銀行の融資や社債の発行など、さまざまな金融取引に活用されてきました。

しかし、2012年に欧米の金融機関の担当者による不正な操作が明らかになり、ことし末で廃止されることが決まっています。

日銀の雨宮副総裁はオンラインの講演で、「金融機関が保有しているLIBORを参照した契約のうち、ことし末を超えて満期が来るものは、去年末の時点で合わせて2000兆円に達している」と述べ、LIBORが廃止されたあとも円滑な取り引きを続ける上で、日本の金融機関の対応が課題になっているという認識を示しました。

そして、今後、LIBORを参照した取り引きの残高を大幅に削減する必要があると指摘するとともに、「引き続き残された時間における市場参加者の取り組みをサポートしていく」と述べ、金融機関が代わりとなる金利指標に取り引きを円滑に引き継げるよう支援していく方針を強調しました。

LIBORとは

LIBORとは、「ロンドン銀行間取引金利」の頭文字をとった略称で、国際的な短期金利の指標として活用されてきました。

ロンドン市場で、銀行どうしが資金を貸し借りする際の金利を銀行の報告に基づいて算出したもので、銀行の融資や社債の発行など、さまざまな金融取引に使われています。

しかし、2012年、欧米の金融機関の担当者が金利を不正に操作していたことが明らかになり、信頼は大きく損なわれました。

このため、イギリスの金融規制当局は、LIBORの公表をドルでは2023年6月に、円などの通貨ではことし末に停止することを決めました。

LIBORに代わる金利指標について、日銀は、みずから事務局を務める検討委員会で準備してきた「TORF」と呼ばれる新たな指標などへの移行を金融機関に促しています。

移行作業が遅れれば、LIBORの公表停止後に金融市場が混乱するリスクも指摘されており、日銀としては金融庁と連携するとともに、海外の動向も注視しながら金融機関の取り組みを後押しすることにしています。