世界各地でウェブサイトに障害 国内でも影響相次ぐ

ロイター通信によりますと、日本時間の8日夜、欧米の主要メディアなどのウェブサイトが一時、閲覧できない状態になりました。

影響を受けたのはニューヨーク・タイムズやフィナンシャル・タイムズなどの報道機関や、一部の政府機関のウェブサイトなどです。

ロイター通信は、クラウド事業を展開するアメリカのIT企業「ファストリー」のネットワークサービスの不具合との関連が指摘されていると伝えていて、「ファストリー」は日本時間の今夜7時ごろ、自社のサイトで「サービスに影響が出ている可能性があり、調査中だ」とコメントしました。

その後、午後8時ごろになって、「問題は特定され、修正が適用された」としています。

日本の官庁や企業でも一時的な障害が相次ぎました。

このうち環境省や金融庁で午後7時ごろからおよそ1時間にわたってホームページがつながりにくくなりました。

また、フリマアプリ大手のメルカリで画像が表示されなかったり、日本経済新聞社で記事が閲覧できなくなったりするトラブルが一時的に発生したということです。

サイバー攻撃との関連なし

ファストリーの日本の事務所によりますと、今回発生した障害は、サービスの設定に起因する技術的な問題に関連していて、サイバー攻撃との関連はないということです。

ファストリーは、「サービスをご利用のお客様には多大なるご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません」とコメントしています。

専門家「集中化のリスクが顕在化した」

情報システムに詳しい、セキュリティー会社のアルモリスの鎌田敬介さんによりますと、今回、障害が発生した「ファストリー」のサービスは、CDN=コンテンツデリバリーネットワークと呼ばれ、インターネットでデータ配信を効率化するためにサーバーを分散して、負荷を一極化させないためのものだということです。

インターネットを使った大量のデータ配信が増える中、メディア企業などで利用が進んでいて、今回は、「ファストリー」の同じサービスを世界中の多数の企業などが使う中、サービス全体を管理する部分に問題があったと見られ、世界各地でホームページが閲覧できないなどの影響が出たと見られるということです。

こうしたCDNサービスはある程度、障害が発生することを見込んでいて、長時間にわたる停止は起きにくい仕組みになっていますが、短時間の停止でも利用している各社のサービスによっては深刻な影響につながる可能性もあります。

鎌田さんは、「ひとつのクラウドサービスを多数の企業が利用することで、同時多発的に障害が起きてしまう集中化のリスクが顕在化した。利用する側は、こうした障害が起きる前提でリスクを把握し、対処法をあらかじめ練っておく必要がある」と話しています。