全国の活火山活動状況(5月)8火山に「火口周辺警報」

気象庁は5月の全国の活火山の活動状況や警戒すべき点を発表しました。噴火が発生したり火山活動が高まったりしているとして、全国の8火山に「火口周辺警報」が、1つの海底火山に「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

火口周辺警報は 8火山

噴火で火口周辺や居住地域の近くに影響が出るおそれがあるとして「火口周辺警報」が発表されているのは、
▽長野県と群馬県の県境にある「浅間山」
▽熊本県の「阿蘇山」
▽鹿児島県の「桜島」
▽「薩摩硫黄島」
▽「口永良部島」
▽「諏訪之瀬島」
▽小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」の、
合わせて8火山です。

噴火警戒レベル3は 2火山

このうち、居住地の近くまで影響が出るおそれがある「入山規制」を示す、噴火警戒レベル3は「桜島」と「口永良部島」に発表されています。

〈桜島〉
桜島の南岳山頂火口では、5月に入り噴火活動が低下しました。

大きな噴石は、最大で火口から800メートルから1100メートルの6合目に達し、噴煙は、最高で火口から2500メートルまで上がり、雲に入りました。

また、鹿児島湾にある姶良カルデラの地下には、長期間にわたって供給されたマグマが蓄積された状態が続き、火山ガスの放出量が多い状態も続いていることから、噴火活動が再び活発化する可能性があります。

気象庁は、南岳山頂火口と昭和火口から、おおむね2キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

〈口永良部島〉
口永良部島では、火山性地震は長期的には多い状態ですが、増減を繰り返しながら次第に減少していて、火山活動は次第に低下しつつあります。

気象庁は、
▽火口から、おおむね2キロの範囲では大きな噴石や火砕流に警戒し、
▽向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲は、火砕流に警戒するよう呼びかけています。

噴火警戒レベル2は 4火山

火口周辺への立ち入りが規制される噴火警戒レベル2は、「浅間山」「阿蘇山」「薩摩硫黄島」「諏訪之瀬島」の4つの火山に発表されています。

〈浅間山〉
浅間山では、地震活動や火山ガスの放出量などに低下傾向が見られるものの、火山活動が高まる前のことし3月上旬以前の状態には戻っていないと考えられます。

引き続き、山頂火口からおおむね2キロ以内に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があるとして、気象庁は、火口からおおむね2キロの範囲で、大きな噴石や火砕流に警戒するよう呼びかけています。

〈阿蘇山〉
阿蘇山では、5月2日に火山性微動の振幅が大きくなったことから、2日夜に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1から2に引き上げました。

微動の振幅は2日から9日にかけて大きくなりましたが、10日以降、次第に小さくなり、18日以降は小さな状態となっていますが、時々変動がみられました。

火山ガスの放出量や地殻変動の状況など、火山活動の高まりを示す変化は確認されていません。

微動の振幅に時々変動がみられることから、気象庁は、中岳第一火口からおおむね1キロの範囲では、大きな噴石や火砕流に警戒し、地元自治体などの指示に従って、危険な地域に立ち入らないよう呼びかけています。

〈薩摩硫黄島〉
薩摩硫黄島では、火山性地震や微動の発生状況に特段の変化はありませんが、夜間には「火映現象」が観測され、時折噴煙が高くなるなど、長期的には熱活動が高まった状態が続いています。

気象庁は、火口からおおむね500メートルの範囲で大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

〈諏訪之瀬島〉
諏訪之瀬島の御岳火口では、活発な噴火活動が継続しています。

長期的に噴火を繰り返しており、今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されます。

気象庁は、火口からおおむね1キロの範囲で大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。

レベル無しも警報は 2火山

噴火警戒レベルが導入されていないものの「火口周辺警報」が発表されているのが、小笠原諸島の「西之島」と「硫黄島」です。

〈西之島〉
西之島では、2020年8月下旬以降、噴火は観測されていません。

火山活動は低下しているものの、山頂火口内には噴気や高温域があり、今後、噴火が再開する可能性があるとしています。

気象庁は「入山危険」を示す火口周辺警報を継続したうえで、山頂火口からおおむね1.5キロの範囲で、大きな噴石や溶岩流に警戒を呼びかけています。

〈硫黄島〉
2018年9月に海底噴火が起きたと推定される硫黄島では、長期的に島全体の隆起を示す地殻変動がみられていて、火山活動はやや活発な状態で推移しています。

また、島内は全体的に地温が高く、多くの噴気孔などがあり、過去には小規模な噴火が発生しています。

気象庁は、火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあり、周辺海域では噴火に警戒するよう呼びかけています。

「福岡岡ノ場」に「噴火警報(周辺海域)」

小笠原諸島の近海にある海底火山の「福徳岡ノ場」では、周辺の海域に影響を及ぼす噴火が発生するおそれがあるとして「噴火警報(周辺海域)」が発表されています。

これまでの観測によると、周辺の海面には長期にわたって火山活動によるものとみられる変色が確認されています。

気象庁は、小規模な海底噴火が発生すると予想され、周辺海域で噴火に警戒を呼びかけています。

警報なし レベル1もリスク認識を

全国の活火山の中には、噴火警報が発表されておらず、噴火警戒レベルが1の火山がありますが、過去に噴火を繰り返してきた活火山であることに変わりはありません。

長野県と岐阜県の県境にある御嶽山では、2014年にレベル1の状態で噴火が発生し、58人が死亡、5人が行方不明になりました。

顕著な前兆が無い中で、突然の噴火が起こりうることも改めて認識する必要があります。

最新の情報確認を

各地の火山の活動状況や注意点は、気象庁や各地の気象台、自治体のホームページなどで確認することができます。