SBI子会社に業務停止命令 「事実と異なる説明で勧誘」 金融庁

ネット金融大手、「SBIホールディングス」の子会社が投資家から集めた資金の融資先に対し事業の確認を適切に行わず、事実と異なる説明で投資家を勧誘していたとして、金融庁はSBIの子会社に対し、すべての業務を1か月間停止するよう命じる行政処分を出しました。

SBIホールディングスの子会社「SBIソーシャルレンディング」は、投資家から集めた資金を太陽光発電などの分野に融資し、収益を投資家に還元する金融サービスを手がけてきましたが、投資家からの資金をもとに事業者に融資した129億円が計画どおりに使われていなかったことが、ことし4月、第三者委員会による調査で明らかになりました。

この問題で金融庁は、SBIソーシャルレンディングが融資先の事業について適切な確認や管理を行わず、事実と異なる説明で投資家を勧誘していたことは金融商品取引法違反に当たると判断し、8日、会社に対し業務停止命令を出しました。

経営管理態勢と業務運営態勢に重大な不備があると厳しく指摘したうえで、顧客保護の対応を除くすべての業務を8日から来月7日まで停止するよう命じています。

また、業務改善命令も出して、原因の究明と責任の所在の明確化、それに適切な管理態勢の再構築なども求めました。

SBI子会社「深くおわび申し上げます」

金融庁から業務停止命令を受けたことについて、SBIソーシャルレンディングは「今回の行政処分を厳粛に受け止め、投資家の皆様をはじめ、関係する皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、あらためて深くおわび申し上げます。引き続き投資家の皆様の保護に万全の措置を講じてまいります」とコメントしています。

また、親会社のSBIホールディングスも「あらためて深くおわび申し上げます。再発防止と信頼回復に努めてまいります」とするコメントを出しました。

SBIは、顧客の投資家に対し、出資した元本に相当する金額を返す方針で、今後、この子会社は自主廃業し、ソーシャルレンディングの事業から撤退するということです。

問題の子会社とは

SBIホールディングスの子会社「SBIソーシャルレンディング」は、インターネットを通じて投資家から集めた資金を、太陽光発電や不動産などの分野に融資し、貸し付け先から得られる利息などを投資家に還元する金融サービスを手がけてきました。

社名にもなっている「ソーシャルレンディング」とは、こうした金融サービスの名称で、個人や企業がネットを通じて資金を集める「クラウドファンディング」の一種です。

会社は2011年にサービスを開始し、ことし3月末時点の顧客数は個人投資家を中心に6万1000人余り、集めたお金は総額で1693億円に上ります。

1万円から投資することができ、年間の想定の利回りで2.5%から10%の分配金を毎月受けられることなどを、SBIグループの信用力とともにPRしていました。

しかし、この子会社を巡って、SBIホールディングスはことし2月「貸し付け先の事業運営に重大な懸案事項が生じている可能性がある」として、弁護士らによる第三者委員会を設置し、詳しい調査を行うと発表。

第三者委員会は、ことし4月、調査結果をまとめ、SBIソーシャルレンディングが太陽光発電などを手がける事業者に融資した129億円が計画どおりに使われず、プロジェクトの工事の大幅な遅れが相次いでいることを明らかにしました。

これを受けてSBIは、投資家の勧誘にあたり「虚偽の表示」など、金融商品取引法に違反していた疑いがあるとして、幹部の解任や降格といった社内処分を行いました。

今後、この子会社は自主廃業し、SBIはソーシャルレンディングの事業から撤退するということです。

関係者によりますと、今回問題となった貸付先は横浜市の太陽光発電関連会社「テクノシステム」で、2つの金融機関にうその書類を提出し、融資金合わせて11億円余りをだまし取ったとして、社長ら3人が先月詐欺の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。