“上司のパワハラで自殺”トヨタが遺族側と和解

トヨタ自動車の社員が2017年に自殺し、労働基準監督署が上司のパワーハラスメントが原因だったとして労災認定した問題で、トヨタが遺族側と和解したことがわかりました。会社は和解金を支払うとともに再発防止策を遺族側に示し理解が得られたとしています。

2017年、トヨタ自動車の車両設計を担う部署で働いていた当時28歳の男性社員が、休職から復帰したあとに自殺し、労働基準監督署はおととし、上司によるパワハラが原因だったとして労災と認定しました。

トヨタによりますと、この問題をめぐってことしの4月に男性の遺族側と和解したということです。

豊田章男社長が遺族を訪問して謝罪したうえで
▽精神科の専門医が休職している社員のフォローを行う相談センターを新設したり
▽ハラスメントについて匿名での通報を受け付ける相談窓口の体制を強化したりするなどの再発防止策を説明し遺族からの理解が得られたとしています。

また、金額は非公表ですが和解金も支払ったということです。

トヨタは「亡くなった社員に心からお悔やみを申し上げるとともに、世間をお騒がせしたことをおわび申し上げる。二度とこうしたことが起きないよう再発防止策を徹底していく」とコメントしています。

遺族「二度と起こらないように」

亡くなった従業員の遺族は弁護士を通してコメントを出し、会社と和解したのは対応に誠意と真摯(しんし)な謝罪の姿勢を感じることができたからだとしています。

そのうえで「労災認定を受け、会社から補償を受けても、息子が帰ってくる訳ではありません。大切な息子がこのような事になり、今だに胸が苦しくなります。息子の事を考えると会いたい気持ちがこみ上げてきます」としています。

そして「職場のパワハラは、一人の人間と、まわりの人たちの人生まで狂わすものだと思います。このような事が二度と起こらないように、会社には、職場環境の改善に真剣に取り組んで頂く必要があります。職場内のパワハラ被害者に対する会社の対処をくれぐれも間違える事のないように、切に願うとともに、トヨタが本当に変わったといえるのか、今後も注視して参りたいと思います」とつづっています。

官房長官「パワーハラスメント撲滅に取り組む」

加藤官房長官は午前の記者会見で「個別事案について答えは差し控えたいと思うが、職場におけるパワーハラスメントはあってはならないことだ」と述べました。

そのうえで「去年6月に施行された改正労働施策総合推進法においてハラスメント防止のための雇用管理上の措置を義務づけており、関連法では来年4月から中小企業にも義務が拡大されることになる。法律の履行確保に万全を期しパワーハラスメントの撲滅に取り組んでいきたい」と述べました。