G7 法人税の最低税率「15%以上を目指す」で一致 競争に歯止め

日本時間の5日夜までイギリスで開かれたG7=主要7か国の財務大臣会合では、法人税の引き下げ競争に歯止めをかけるための共通の最低税率について、15%以上を目指すことで一致しました。G7各国が結束を示したことで、今月末にOECD=経済協力開発機構の加盟国を中心におよそ140の国や地域が開く交渉会合などでの合意に向けて、弾みがつくことになりそうです。

G7の財務大臣会合は、イギリスのロンドンで4日から2日間の日程で行われ、日本からは麻生副総理兼財務大臣が出席しました。

焦点となっていた法人税の引き下げ競争に歯止めをかけるための共通の最低税率については、15%以上を目指すことで各国が一致しました。

新型コロナウイルスへの対応で各国とも財政が厳しくなる中、一定の税収を確保したいという思惑から足並みがそろった形です。

もう1つの焦点となっていたグローバル企業に対する課税の強化については、対象を利益率の高い企業とし、利益の一部に課税して各国が公平に配分するルールの導入を目指すことで一致しました。

課税対象となる企業は100社程度となり、アメリカの企業が多くを占める見通しです。

国際的な課税ルールの見直しは、G7各国が結束を示したことで、今月末にOECDの加盟国を中心におよそ140の国や地域が開く交渉会合と、来月(7月)のG20での合意に向けて、弾みがつくことになりそうです。

先進各国は法人税率引き下げ競争

先進各国は、企業の誘致や自国の企業の競争力強化のため、法人税率を競って引き下げてきました。

例えば、イギリスは、2010年の時点で28%だった法人税を段階的に引き下げ、現在は19%と先進国で最も低い水準です。

アメリカは、トランプ政権の2018年、35%から一気に21%まで引き下げました。

こうした動きに対抗して、日本も実効税率で2014年度の34.62%から、2015年度に32.11%、2016年度に29.97%、そして、2018年度からは29.74%と段階的に引き下げてきました。

このように各国は競って法人税率の引き下げ競争を繰り広げてきましたが、企業誘致の面で期待したほどの効果が得られなかったことや、新型コロナウイルスの対応で財政が悪化したことから、減税路線を転換する国も現れています。

イギリスが再来年に現在の19%から25%に引き上げる方針を表明したのに続いて、アメリカもバイデン政権が前の政権の方針を転換し、企業への課税を強化する計画を打ち出しています。

「新型コロナからの回復のため協働を継続」

今回のG7の声明では、世界経済について「新型コロナウイルスの世界的大流行からの強固で、持続可能な回復がより良くなるための協働を継続する」として、必要な限り、政策支援を続けることで一致しました。

一方で「回復が確かなものとなれば、将来世代の利益のためにも財政の長期的な持続可能性を確保する必要がある」と指摘し、財政の健全化に配慮する姿勢も示しました。

焦点のひとつとなっていた各国の企業に対して、気候変動に関する経営戦略やリスクの開示を求めることについては「財務上の意思決定において、気候が考慮に含まれるよう、グローバル金融システムをグリーン化する必要性を強調する」として、「TCFD=気候関連財務情報開示タスクフォース」の提言やそれぞれの国内の規制に沿って、開示の義務化を進めることを支持しました。

このほか、各国の中央銀行が研究を進める電子的な法定通貨「デジタル通貨」については、「われわれの目的は、透明性や法の支配、健全な経済ガバナンスに対する長年のコミットメントを確保することだ」として、共通の原則を作り、ことし後半に公表することで一致しました。