職場でのワクチン接種 6月21日開始に向け 企業の準備本格化

職場などでの新型コロナウイルスのワクチン接種について実施を決めた企業の間では、6月21日からの接種に向けて会場のレイアウトや接種の流れを検討するなど準備が本格化しています。

職場や大学などでのワクチン接種について、政府は、6月21日から始める方針を示していて、接種の担い手や会場については、各企業や大学などで確保するよう求めています。

こうした中、大手商社の伊藤忠商事は、東京と大阪にそれぞれある本社ビルで6月21日から接種を行うことを決めました。

接種の対象者は▼国内の全社員と、東京の本社ビルに勤務する受付、警備、清掃などの委託先の社員合わせて6000人、それに▼社員向けの保育所を運営する会社に所属する保育士など1500人の合わせておよそ7500人です。

このうち、東京の本社ビルでは1階のロビーを接種会場にする予定で、現在は、パーティションで区切って採用面接を行っていますが、面接が終了する来週以降、レイアウトを変更してワクチン接種の会場にするということです。

接種を行うのは、産業医と看護師合わせて9人で、会場の受け付けや誘導などは社員からボランティアを募って運営する予定です。

高齢者や基礎疾患のある人などから接種を進めていき、大半の接種希望者が8月中をめどに2回目の接種を終える計画です。

委託先の社員も含め幅広く接種を行う理由について、会社では、ビル全体で接種を進めることで感染リスクを最小限に抑えたいと説明しています。

伊藤忠商事でコロナ対策本部長を務める小林文彦副社長は「われわれの仕事はお客のそばで、対面で行うことが多い。ワクチンの重要性を理解してもらい、接種を進めていきたい」と話しています。

社内保育施設の保育士「保護者に安心して預けてもらえる」

東京本社ビルに隣接する建物にある保育所に勤務する保育士など4人も接種の対象になります。

この保育所では、現在、0歳と1歳の3人の子どもの保育を行っています。

保育所の施設長を務める清水沙奈美さんは「小さな子どもと密接に関わる仕事なので、ワクチン接種できることはありがたいです。保護者にも安心して預けてもらえるようになると思います」と話していました。