新型コロナ新規感染者数 1週間平均 全国で減少も沖縄では増加

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、緊急事態宣言が出されている東京都や関西、それに北海道などを含め、全国で減少していますが、先週、緊急事態宣言が出された沖縄県では大型連休明け以降の増加が続いています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国

全国では、大型連休明けの先月6日までの1週間では0.95倍、先月13日は1.34倍でしたが、先月20日は0.85倍、先月27日は0.77倍、今月3日まででは0.69倍と3週連続で減少が続いています。

1日当たりの新規感染者数は2900人余りとなっています。

一方、沖縄県では4週連続で増えていて、前の週を上回ったのは滋賀県と長崎県と合わせて3つの県となっています。

緊急事態宣言の地域

現在、緊急事態宣言が出されている地域では、東京都や関西の2府1県、福岡県、愛知県、広島県、岡山県のほか、先週まで増加していた北海道も感染者数は減少に転じた一方、沖縄県では増加が続いています。

東京都は、先月20日までの1週間では前の週の0.75倍、先月27日は0.83倍、今月3日まででは0.81倍と3週連続でペースは緩やかなものの減少が続いています。

一方、1日当たりの新規感染者数はおよそ475人と依然として多い状態が続いています。

大阪府は、先月20日までの1週間では前の週の0.63倍、先月27日は0.59倍、今月3日まででは0.63倍と5週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ206人となっています。

兵庫県は、先月20日までの1週間では前の週の0.60倍、先月27日は0.60倍、今月3日まででは0.59倍と減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ86人となっています。

京都府は、先月20日までの1週間では前の週の0.97倍で、先月27日は0.54倍、今月3日まででは0.64倍と減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ46人となっています。

福岡県は、緊急事態宣言が出された先月中旬までは急増していましたが、先月20日までの1週間では前の週の0.88倍、先月27日は0.58倍、今月3日まででは0.52倍と減少が続いていて、1日当たりの新規感染者数はおよそ128人となっています。

愛知県は、緊急事態宣言が出された先月中旬までは感染が急拡大し、先月20日までの1週間でも前の週の1.02倍でしたが、先月27日は0.82倍、今月3日まででは0.65倍と2週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数は294人となっています。

広島県は、緊急事態宣言が出された後の先月20日までの1週間では前の週の1.19倍と増加していましたが、先月27日は0.74倍、今月3日まででは0.50倍と2週連続で減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ78人となっています。

岡山県は、緊急事態宣言が出された後の先月20日までの1週間では前の週の0.93倍、先月27日は0.54倍、今月3日まででは0.44倍と減少していて、1日当たりの新規感染者数はおよそ35人となっています。

北海道は、緊急事態宣言が出された後の先月20日までの1週間では前の週の1.19倍、先月27日でも1.03倍と増加が続いていたものの、今月3日まででは0.59倍と減少に転じていますが、1日当たりの新規感染者数は329人と依然として高い水準が続いています。

一方、沖縄県は、大型連休明けから感染が急速に拡大していて、先月20日までの1週間では前の週の1.47倍、緊急事態宣言が出された後の先月27日も1.50倍、今月3日まででも1.22倍と4週連続で増加しています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ261人で、人口当たりの感染者数では過去に例のない非常に高い水準となっています。

まん延防止等重点措置適用中の地域

「まん延防止等重点措置」が適用されている地域では、群馬県と石川県、熊本県で大きく減少する一方、首都圏の3県などは減少のペースが緩やかな傾向が続いています。

神奈川県は、先月20日までの1週間では前の週の0.97倍、先月27日は0.87倍、今月3日まででは0.86倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ211人となっています。

埼玉県は、先月20日までの1週間では前の週の0.82倍、先月27日は0.71倍、今月3日まででは0.79倍で1日当たりの新規感染者数はおよそ117人となっています。

千葉県は、先月20日までの1週間は前の週の0.86倍、先月27日は0.88倍、今月3日まででは0.84倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ96人となっています。

岐阜県は、先月20日までの1週間では前の週の0.99倍、先月27日は0.59倍、今月3日まででは0.86倍で、1日当たりの新規感染者数は62人となっています。

三重県は、先月20日までの1週間は0.96倍、先月27日は0.61倍、今月3日まででは0.98倍で1日当たりの新規感染者数は26人となっています。

また、今月13日に重点措置の期限を迎える地域のうち、群馬県は先月20日までの1週間では前の週の0.63倍、先月27日は0.78倍、今月3日まででは0.45倍で、1日当たりの新規感染者数は20人となっています。

石川県は、先月20日までの1週間は前の週の0.67倍、先月27日は1.08倍、今月3日まででは0.51倍で1日当たりの新規感染者数は21人余りとなっています。

熊本県は、先月20日までの1週間は前の週の0.92倍、先月27日は0.58倍、今月3日まででは0.46倍となっていて、1日当たりの新規感染者数は25人となっています。

緊急事態宣言の解除「一気に解除は難しい」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について「緊急事態宣言が出されて1か月以上がたって、なかなか効果がみられなかったが、全国的に減少傾向になりつつあるのはよい兆候だ。ただ、沖縄県などではまだ増加が続いていて、大阪府や首都圏もこのまま順調に下がっていくのかは注意深く見ていかなければならない」と話していました。

そのうえで、10の都道府県に出されている緊急事態宣言の解除について「今までの感染者数の減り方や医療現場の改善のスピードをみると10都道府県すべてを一気に解除するのは難しいように思う。特に今月20日まで感染者数が再び増加しないか、かなり注意が必要だ。改めて気持ちを引き締めて、特に夜の動きや人流を抑えるような行動が求められているのではないか」と指摘しました。

また、インドで最初に確認された変異ウイルスについて舘田教授は「東京都など首都圏では人流が再び増えているという報告がある。ようやく見られてきた宣言の効果が鈍くなって、感染者数が下げ止まったところにインド株が広がると、非常に厳しい感染状況になるおそれがあることを考えておかねばならない」と話していました。