“職場でのワクチン接種 協力を” 菅首相 経済3団体代表に要請

新型コロナウイルス対策をめぐり、菅総理大臣は、経済3団体の代表と会談し、職場でのワクチン接種が進めば、自治体の負担が軽減され、企業活動にも大きな意義があるとして、円滑で迅速な接種に協力を要請しました。

菅総理大臣は3日夕方、総理大臣官邸で、経団連の十倉会長、日本商工会議所の三村会頭、それに経済同友会の櫻田代表幹事と会談し、新型コロナウイルス対策をめぐって意見を交わしました。

この中で、菅総理大臣は「感染を封じ込め1日も早く収束に向かわせる決意で、そのための切り札がワクチンだ。企業の皆さんには、産業医の方々を中心に、今月中旬以降、職域接種を始めていただくこととした。すでに多くの企業が実施したいと表明されていることに、改めてワクチンへの高い期待を実感し、心から感謝している」と述べました。

そのうえで「職域接種が進めば、自治体の負担が大きく軽減され、全体の接種が早まり、企業の活動にとっても大きな意義がある。政府と経済界が一体となって、この新たな取り組みを円滑かつ速やかに進めていく必要がある」と述べ、職場での円滑で迅速な接種に協力を要請しました。

そして菅総理大臣は、必要な支援を行うとともに、来週の早い段階で、河野規制改革担当大臣のもとに総合的な相談窓口を設ける考えを示しました。

経団連 十倉会長「政府はロードマップを」

経団連の十倉会長は、菅総理大臣との会談のあと記者団に対して、「ワクチン接種は大きく進んでいるが、感染の再拡大が懸念される冬が始まる前に集団免疫を確立してほしいという経団連としての緊急提言を手渡した。政府は免疫を確立するまでのロードマップを示し、多くの人がワクチンを接種する機運も作り出してほしい」と述べました。

日本商工会議所 三村会頭「先行きへの希望を」

日本商工会議所の三村会頭は記者団に対して「中小企業の接種が進んでいないという印象にならないよう、余裕がある大企業には協力をお願いしたい。産業医や病院がある大企業は下請けや関連会社の人たちも接種できるようにしてほしい。感染防止のために多くの事業者は、自粛に協力しているので、政府は先行きへの希望を与えてほしい」と述べました。

経済同友会 櫻田代表幹事「接種の担い手確保 非常時の対応を」

経済同友会の櫻田代表幹事は記者団に対して、「職場での接種は反対する理由はないので協力したいが、接種の担い手など医療従事者をどう確保するかが課題だ。ワクチン接種はスピードとの勝負なので、看護学校の学生や獣医師を含めるなど非常時の対応をしてほしい」と述べました。