64歳以下 ワクチン接種 14区で6月末までに開始見通し 東京23区

高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、東京23区のうち14の区が64歳以下の人への接種を今月末までに始められる見通しとなっていることが分かりました。

政府は今年度中に65歳以上になる高齢者に続く接種の優先順位として、64歳以下の高齢者施設などの職員や基礎疾患のある人などをあげていますが、高齢者が終わっていない段階でも前倒しして始めるなど自治体の状況に応じた柔軟な対応を求めています。

こうした64歳以下の人たちの接種が始まる時期について、3日時点の状況を東京23区に取材したところ、すでに足立区が基礎疾患のある人や高齢者施設の職員などに対して先月26日から接種を始めたほか千代田区、新宿区、世田谷区、中野区、荒川区の5つの区が今月中旬以降に始められる見通しとなっていることが分かりました。

また、6月下旬以降に始められる見通しなのが中央区、墨田区、江東区、目黒区、豊島区、北区、練馬区、葛飾区の8つとなっていて、合わせて14の区が64歳以下の人たちへの接種をすでに始めたか、今月末までに始められる見通しとなっていることが分かりました。

このほか来月上旬以降になる見通しなのが港区、文京区、板橋区の3つ、7月上旬以降で調整中なのが品川区、7月中旬以降になる見通しなのが台東区、杉並区の2つ、7月下旬以降になる見通しなのが渋谷区、7月中で調整中なのが江戸川区、8月以降になる見通しなのが大田区となっています。

この中では高齢者施設の職員などから接種を始めるところや、基礎疾患のあるなしにかかわらず60歳から64歳までの人から始めるところなど、具体的な接種の対象については区によって対応が分かれています。

新宿区 20代~30代の若者から優先的に集団接種

新型コロナウイルスのワクチンの接種について東京 新宿区では、来月上旬から20代から30代の若者から優先的に集団接種を始めることになりました。

新宿区は64歳以下の接種について今月10日から年代ごとに順次、ワクチンの接種券を発送する予定です。

こうした中、区は感染拡大を防ぐため、基礎疾患のある人への接種を行ったあと来月7日から行動範囲が広いとされる20代から30代の若者を対象に優先的に集団接種の予約を始めることになりました。

区は20代から30代の若者の接種が始まったあとに40代から50代を対象に接種を行い、その後、19歳以下への接種を進めることも検討しています。

一方、かかりつけ医などで行う個別接種については今月7日から区内の医療機関で始まる予定だということです。

新宿区は「40代から50代の多くはかかりつけ医で個別接種を受けることを想定しており、集団接種の予約を若い世代から開始することで多くの世代で接種を加速化し、感染の拡大を防ごうと考えた」と話していました。

葛飾区 今月中に64歳以下に接種券の発送準備

東京 葛飾区は新型コロナウイルスのワクチン接種を64歳以下の対象者にも予定より早く始められるように急ピッチで準備を進めています。

葛飾区では64歳以下の対象者については接種券が届き次第、接種できる計画となっていて、接種券は今月下旬から基礎疾患のある人などを対象に発送したあと来月からはそれ以外の対象者に発送する予定です。

こうした中、区は少しでも今月中に早く多くの人に接種を受けてもらおうと、基礎疾患のある人などへの接種券の発送を今月中旬に前倒しし、さらにそれ以外の対象者への発送も6月中に行えるよう準備を進めています。

区は予定よりも早く多くの人に接種ができるよう地元の医師会にも協力を呼びかけていて、なるべく多くの医療機関で接種ができるよう調整を進めているということです。
葛飾区の南部剛新型感染症対策担当課長は「前倒しするには高齢者の接種を進めなければならず、ワクチンを打ってもらえる医療従事者の確保が大きな課題となっています。区民の方々は1日でも早い接種を望んでいると思うので期待に応えられるよう事業を進めたい」と話していました。