世界の失業者 感染拡大前の水準になるのは2023年以降 ILO発表

ILO=国際労働機関は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で失われた雇用に回復の兆しは見られるものの、失業者数が感染拡大前の水準にまで下がるのは再来年の2023年以降になるという見通しを発表しました。

ILOは2日、世界の雇用に関するまとめを発表しました。

それによりますと、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で失われた雇用に回復の兆しは見られるものの、世界の失業者数はフルタイムで働く人に換算して、ことしは2億2000万人、来年も2億500万人と感染拡大前のおととしの1億8700万人を上回るとしています。

そして、感染拡大前の水準にまで下がるのは再来年の2023年以降になるとしています。

また、地域別に見るとヨーロッパのほか、中央アジア、ラテンアメリカ、それにカリブ海諸国が最も大きな影響を受けているということです。

ILOのライダー事務局長はNHKのインタビューで、ワクチンの分配が進んでいる国と進んでいない国で経済の回復状況が大きく異なると指摘したうえで「ワクチンの接種計画は経済活動の再開に向けた非常に重要な引き金だが、公平に分配されていないのが現状だ。これまでも存在していた不平等を、さらに悪化させている」と述べ、ワクチンが行き渡らないことで取り残される国がないよう、先進国に協力を求めました。