インドで広がる変異ウイルス 日本国内で新たに24人感染確認

インドで広がっている変異した新型コロナウイルスについて、厚生労働省は5月31日までの1週間に、国内で新たに24人の感染が確認されたと発表しました。

新型コロナウイルスへの感染が確認された人について、全国の自治体は一部の検体を抽出して国立感染症研究所などで遺伝子を解析し、変異ウイルスの広がりを調べています。

厚生労働省によりますと、このうちインドで広がっている変異ウイルスに5月31日までの1週間で、24人が感染していたことが新たに確認されたということです。

前の1週間に確認された人数を3人上回っています。

都道府県別では
▽東京都が9人、
▽大阪府と埼玉県が3人、
▽愛知県と兵庫県が2人、
▽群馬県と千葉県、神奈川県、長野県、鹿児島県が、それぞれ1人となっています。

これまでに国内で感染が確認されたのは合わせて53人で、
▼東京都が14人、
▼大阪府が9人、
▼千葉県が7人、
▼兵庫県が6人、
▼静岡県が5人、
▼埼玉県と神奈川県が3人、
▼愛知県が2人、
▼群馬県と長野県、広島県と鹿児島県でそれぞれ1人となっています。

このほか、全国では5月31日までに、ブラジルで見つかった変異ウイルスに79人、南アフリカの変異ウイルスに23人が感染していたことが確認されています。

一方、イギリスで最初に見つかった変異ウイルスは、5月24日の時点で1万1235人の感染が確認されていましたが、厚生労働省は、すでにほどんどの地域で従来のウイルスに置き換わったとみて、都道府県ごとの集計を取りやめています。

厚生労働省 全国的な検査体制の強化進める

インドで確認されている変異した新型コロナウイルスを早期に発見しようと、厚生労働省は全国的な検査体制の強化を進めています。

インドの変異ウイルスかどうかをPCR検査で見極める方法を国立感染症研究所で開発し、5月21日に全国の地方衛生研究所に配備しました。

民間の検査機関の一部でも試行的に導入し、5月28日と29日の2日間で104人の検体を調べた結果、18人からインドの変異ウイルスが検出されたということです。

厚生労働省は、新型コロナウイルスに感染した人のおよそ4割に検査を行うことを目標にしています。

また、地方への技術移転を進めた結果、全国13か所の地方衛生研究所でウイルスの遺伝子解析ができるようになり、さらに22か所で実施できるよう準備を進めているということです。