オリンピック 事前合宿や交流の中止 100以上の自治体に

東京オリンピック・パラリンピックで予定されている海外選手の事前合宿や交流の受け入れを中止した自治体は、全国で少なくとも102に上り、その8割は日本国内の感染状況への不安などから、相手国側から中止を打診されていたことがNHKのまとめでわかりました。

102自治体が受け入れ中止

東京オリンピック・パラリンピックでは、海外選手の事前合宿や交流を行うホストタウン事業に全国の528の自治体が登録し、そのほかにも事前合宿を個別に予定している自治体もあります。

こうした中、NHKが全国の都道府県などに取材したところ、これまでに事前合宿を中止した国や地域がある自治体は95、交流を中止した自治体は7と、36の都道府県の少なくとも102の自治体が感染拡大の影響で受け入れを中止したことがわかりました。

また、事前合宿の中止を打診され最終調整中なのが4自治体となっています。
全体のうち、相手国側から中止の打診があったケースは8割を占め、日本国内での感染拡大を懸念して直接選手村に入るケースや、日本側が指針で求めている感染対策を行うと大会前の調整が難しいといった理由から、辞退を申し出たケースもありました。

自治体側から申し出たケースでは、感染者の集団=クラスターが発生し十分な感染防止対策を講じることが難しいとか、ワクチン接種の状況から選手団や住民の安全・安心の確保が困難などといった理由がありました。

事前合宿をめぐっては1日、大会が延期されて以降、海外のチームとしては初めてソフトボールのオーストラリア代表が来日しましたが、受け入れ中止を明らかにする自治体は増え続けています。

“受け入れ中止” 8割が相手国からの打診

事前合宿の受け入れを中止した自治体の8割は、日本国内の感染状況などを理由に相手国側から打診されたケースとなっています。

このうち京都府舞鶴市では、ウズベキスタンのレスリングの選手団が事前合宿を予定していましたが、日本国内での感染拡大のため「東京オリンピックの開始直前まで出国を見合わせることになった」と連絡があったということです。

北九州市では、タイの卓球とテコンドー、コロンビアの競泳など7競技、それにイギリスの車いすラグビーの事前合宿について、いずれも日本国内の感染状況を踏まえると中止せざるをえないとして、相手国側から申し入れがあったとしています。

また、日本側が示した感染対策の指針に従うのが困難だとして、事前合宿を辞退するケースも相次いでいます。

山口県下関市ではトルコの柔道代表の受け入れを予定していましたが、日本側の感染対策の指針により、事前キャンプの期間中に練習相手の確保が難しくなったことなどを理由に辞退の申し入れがあったといいます。

新潟市ではロシアの新体操チームの事前合宿を予定していましたが、国が選手の移動を原則、宿泊先と練習会場に限ることなどを求める中、5月28日、ロシア側から「選手のコンディショニングが難しい」として、合宿を中止するという文書が届いたということです。

自治体側から打診したケースも

一方、ワクチン接種や感染対策などを理由に、自治体側から打診し相手国側と協議をしたうえで中止を決定したケースもあります。

このうち栃木県足利市では、ハンガリーのボクシング代表選手の事前合宿を受け入れる準備を進めてきましたが、市内の高校が練習場となるため、生徒などへの感染リスクがぬぐい去れないという意見が市役所内であがったということです。

さらに、市民のワクチン接種の対応にあたる医療従事者を優先的に確保するため、十分な医療体制の整備が難しいことなどから、受け入れの中止に踏み切ったということです。

山口県下松市では、ベトナムのバドミントンの代表選手の事前合宿について、市内で感染者の集団=クラスターが発生していることなどから十分な感染防止対策を講じるのは困難だとして、受け入れを断念したとしています。

このほか、千葉県山武市ではスリランカからオリンピック・パラリンピックの選手団、合わせて50人程度を受け入れる計画でした。

しかし先月、都内で行われたボート競技の国際大会で、スリランカチームのスタッフ1人の感染が確認されたことなどから、市側は感染リスクを完全には排除できないと判断し事前合宿の中止を提案し、合意されたということです。