ワクチン接種会場に代々木公園 パブリックビューイング断念か

東京都が警察と消防の職員に行うワクチン接種について、小池知事は、来月以降は代々木公園で行う考えを明らかにしました。
代々木公園は東京オリンピック・パラリンピックの期間中に観客を集めて競技を観戦する「パブリックビューイング」の会場の1つで、都の複数の幹部は、少なくともオリンピックの期間中、代々木公園でのパブリックビューイングは実施を断念せざるをえないとしています。

東京都は今月8日から警視庁と東京消防庁の職員を対象に、築地市場の跡地でワクチン接種を始めます。

ただ、この場所は東京オリンピック・パラリンピックの輸送車両の拠点となっていて、今月30日までしか使えません。

そのため、少なくとも3週間はあけなければならない2回目の接種は、ほぼすべての人が別の場所で行わなければならなくなることから、都は新たな接種会場を探していました。

これについて、東京都の小池知事は1日の都議会で、来月以降は代々木公園で行うことを明らかにしました。

ただ、代々木公園は東京オリンピック・パラリンピックの期間中に、観客を集めて競技を観戦するパブリックビューイングの会場の1つです。

関係者によりますと、全員の接種を終わらせるためには、オリンピックが開幕する来月23日以降も接種会場として使う必要があるということです。

このため、都の複数の幹部は少なくともオリンピックの期間中、代々木公園でのパブリックビューイングは実施を断念せざるをえないとしています。

小池知事「工夫しだいだと思う」

小池知事は都庁で記者団の取材に応じ「代々木公園でのパブリックビューイングは、少なくともオリンピックの期間中は断念せざるをえないということか」と問われたのに対し「そこは工夫しだいだと思う」と述べました。

都の担当者「環境が整うことが重要」

都のオリンピック・パラリンピックの担当者によりますと、代々木公園以外で予定しているパブリックビューイングの会場は実施する予定だということです。

都はこれらの会場について、人が密集するのを避けるために、入場は事前予約制にして来場者を制限するなど感染対策をとることにしていて、定員なども含めた新たな実施計画を今月中にまとめることにしています。

都の担当者は「パブリックビューイングの実施には感染状況の抑え込みなど、環境が整うことが重要だ」と話しています。