宣言再延長 酒の卸売業者 売り上げ激減「本当に危機感」神戸

緊急事態宣言の再延長を受けて、兵庫県では引き続き酒類を提供する飲食店などに休業を要請しています。こうした中、神戸市の酒類の卸売業者は売り上げがほとんどなくなったと苦境を訴えています。

神戸市中央区の「篠原酒類食品」は、80年以上前から市内のおよそ1000店の飲食店にビールや日本酒などを卸してきました。

しかし、ことし4月からの3回目の緊急事態宣言で、県内の酒類を提供する飲食店に休業要請が出されたことを受けて、注文が激減しました。

先月は新型コロナの感染が拡大する前のおととしの同じ時期と比べ、売り上げが9割減ったということです。

現在、飲食店からの注文は調味料やノンアルコール飲料などとわずかです。

このため、会社では配達員など社員7人の勤務日を減らして、国の助成金を活用するなどして、給与を支払い雇用を維持しているということです。

倉庫は以前、びっしりとビールのたるなどが納められていましたが、賞味期限が切れたものはやむをえず廃棄しています。

また、倉庫の空いたスペースにトラックを止めることで、近くに借りていた駐車場を解約するなど、コストの削減に取り組んでいます。

篠原裕幸社長は「コロナを早く収めたいという政府の方針には協力せざるをえないですが、これからどうしようかと本当に危機感を持っています」と話していました。