大坂なおみ 全仏オープン棄権を表明 “誰もが集中できるよう”

テニスの大坂なおみ選手が全仏オープンを棄権しました。大坂選手は1回戦のあと記者会見に出席せず主催者から罰金を科されていて自身のツイッターで「大会やほかの選手、私自身にとって撤退することがベストだと思った」などとコメントしています。

大坂選手は全仏オープンを前に試合後に行われる記者会見に応じない意向を示し、30日の1回戦のあと会見に出席しなかったため、主催者から罰金を科されました。

大坂選手の一連の対応について選手からは、心情を察する声やメディア対応の必要性を指摘する声などが上がっていました。

こうした中、大坂選手は31日、自身のツイッターを更新し「誰もが大会に再び集中できるようにするため、大会やほかの選手、そして、私自身にとって私が撤退することがベストだと思った」として、大会を棄権すると表明しました。

そして、大坂選手は「2018年の全米オープン以来、長い間、気分が落ち込むことがあって対処するのに本当に苦労した」と自身の状況について明らかにしたうえで、「少しの間コートから離れるつもりだが、今後ツアーと協力して選手や記者、ファンのために物事をよりよくする方法について話し合いたいと思っている」として、試合後の取材などについて大会側や競技団体などと協議したい考えを示しています。

これを受けて全仏オープンの主催者は「大坂選手の棄権は残念だ。彼女の早い回復を祈るとともに来年の大会に参加してくれることを楽しみにしている」とコメントしています。

全仏オープン主催者「棄権は非常に残念 早い回復を祈る」

大坂なおみ選手が全仏オープンの棄権を表明したことについて大会の主催者は公式ホームページで「何よりも大坂選手について非常に悲しく残念に思う。大坂選手が全仏オープンを棄権することは非常に残念だ。彼女の早い回復を祈るとともに来年の大会に参加してくれることを楽しみにしている」とコメントしています。

四大大会 23回優勝のセリーナ「彼女はベストを尽くしている」

大坂選手が大会を棄権したことについて、テニスの四大大会で23回の優勝を誇るアメリカのセリーナ・ウィリアムズ選手が、全仏オープン1回戦のあとの記者会見でコメントしました。

ウィリアムズ選手は「会見場へ行くのがすごく難しかったことが私にも何回もあったが、それが私を強くしてくれた。私は大坂選手の気持ちがわかる。彼女がやりたいように、彼女が考える最善の方法で対処してもらうしかない。それが私が言える唯一のことだ。彼女はベストを尽くしていると思う」と述べて理解を示しました。

大坂 棄権でも五輪出場権獲得の見通し

今回の全仏オープン終了後に発表される女子シングルスの世界ランキングの上位56人は東京オリンピックの出場権を獲得します。

現在世界ランキング2位の大坂選手は大会を棄権してもほかの選手の成績にかかわらず、オリンピックの出場権を得られる見通しです。

精神科医「精神面への影響とスポーツに精通した医師が関与を」

精神科医で日本スポーツ精神医学会の理事を務める早稲田大学の堀正士教授はこれまでスポーツ選手と関わった経験をもとに「大坂選手のようにトップアスリートであればあるほど、ライバルに心の状態を知られることは、競技を行う上で大きなハンディキャップになるので、通常なら精神科で治療を受けるようなうつ状態であっても、受診せずに表に出てこないことはある」と指摘しています。

そのうえで堀教授は「大坂選手は大会を棄権する理由を説明するために、心の状態を明かさないといけないという状況にまで追い込まれていたのかもしれない。プロスポーツでは大きな批判やプレッシャーを受ける中で報酬を受け取っているという現実もあるが、記者会見に応じるかどうかなどについて、もう少し選手の自主性を尊重することは大事だと思う」と話しています。

またケアのあり方について「スポーツ選手に精神科の医師が関わる機会はまだ少ないが、症状によっては薬を使った治療が必要な場合もある。ドーピングになるおそれもあり精神面への影響とスポーツの両方に精通した医師が積極的に関わることが必要だ」と指摘しました。