検事総長 捜査段階の取り調べ一部「リモート方式」導入を検討

検察トップの林眞琴検事総長がNHKの単独インタビューに応じ、捜査段階での取り調べの一部に「リモート方式」の導入を検討していることを明らかにし、捜査や裁判など刑事手続きのデジタル化をできるかぎり進めたいという考えを示しました。

NHKは今月、検察トップの林眞琴検事総長に単独インタビューを行い、捜査や裁判など刑事手続きのデジタル化についての考え方を問いました。

刑事手続きは法令上、紙ベースでのやり取りが前提となっているため、政府が行政サービスなどのデジタル化に力を入れる中で、特に対応が遅れていると指摘されています。

これについて、林氏は「社会全体が急激にデジタル化する中、司法の分野だけが旧態依然として、分厚い書類を持ち込んで仕事をしていることは考えられないことだ。刑事手続きだけが社会から取り残されてしまう事態は回避すべきで、できるかぎりの検討・整備を進めたい」と述べました。

そのうえで現在、対面で行っている捜査段階での取り調べの一部に「リモート方式」を導入することも選択肢の1つになるとして「実施する具体的な場面や方法について検討を進めたい」と述べました。

一例としては、新型コロナウイルスの感染防止対策として、遠隔地に住む参考人から事情を聴くケースなどを想定しているということです。

刑事手続きのデジタル化をめぐっては、法務省がことし3月、検討会議を設置し、逮捕状の請求手続きのオンライン化や、供述調書の電子データ化など、幅広いテーマで議論を進めていて、取り調べの方式を含め、どのような形で実現するか注目されます。