一方、飲食店向けの酒を扱う東京 中野区の卸売会社は、コロナ前に比べて全体の売り上げが大きく落ち込んでいますが、ノンアルコールビールなどは、この1か月で以前の3倍程度に増えました。
新たにノンアルコールワインの取り扱いを始め、飲食店からの引き合いも上々だということです。
酒の卸売会社「広島屋」の川村太郎専務は「飲食店からの要望でノンアルコールワインを取り入れました。今後は、ノンアルコールのカクテルなども提案していきたいです」と話していました。
「酒出せなくても…」ノンアルのカクテルやワイン 活発な動き
緊急事態宣言の延長で、飲食店では酒類の提供の見合わせが引き続き求められることになりますが、飲食店の間では、少しでも売り上げを確保しようと、酒類の代わりにノンアルコールのカクテルやワインなどのメニューに力を入れる動きが活発になっています。
東京 渋谷区のメキシコ料理店は先月以降、酒類の提供を見合わせる代わりにノンアルコールのカクテルのメニューを、これまでの6種類から3倍以上の22種類に増やしました。
新しいカクテルは、ノンアルコールでも酒のように感じられる工夫を取り入れていて、例えば「モヒート」は、こしょうや、かんきつ類のような強い香りのミントを使って、スパイシーな味わいを強調しています。
また、「サングリア」は、シナモンや、ゆずのシロップを加えて風味を豊かにしています。
この店では、ドリンクや料理の宅配にも力を入れ、酒類の提供を見合わせる前とほぼ同じ売り上げを確保しているということで、今回の期限延長を受けて、新たなメニューの開発も検討しています。
店長の谷口翔紀さんは「お酒を出せなくても、お客様の期待に応えられるよう、自分たちにできることを最大限やっていきたい」と話していました。