北海道 稚内の漁船 ロシア警備当局の臨検受け連行

28日午前、北海道稚内市の沖合で、地元の底引き網漁船1隻がロシアの警備当局の臨検を受け、サハリン南部の港に連行されました。漁船には14人が乗っていて、信号弾や催涙弾のようなものを撃たれたという情報もあり、海上保安本部などが確認を急いでいます。

28日午前10時ごろ、稚内機船漁協所属の沖合底引き網漁船「第百七十二榮寳丸」(160トン)が、稚内市の宗谷岬の東の海域で操業中、ロシア国境警備局の警備艇から停船を求められていると、乗組員から稚内海上保安部に通報がありました。

漁協によりますと「第百七十二榮寳丸」には、14人が乗っていて、通報があったあと、ロシアの警備当局の臨検を受けたとみられるということです。

そして、その後連行され、午後5時半ごろ、「第百七十二榮寳丸」とみられる船がロシア極東のサハリン南部のコルサコフ港に入る様子をNHKの取材班が確認しました。

第1管区海上保安本部によりますと、乗組員は午前10時1分ごろに入った1回目の通報では「信号弾のようなものを撃たれて停船するよう呼びかけられている」と話し、午前10時23分ごろの2回目の通報では「催涙弾のようなものを撃たれた」と話していたということです。

また、漁協によりますと、「第百七十二榮寳丸」は、稚内市の宗谷岬から東におよそ80キロ離れた海域で操業していたということで、漁協では「違反などはしておらず、連行は不当だ」としています。

海上保安本部では、現場海域に巡視船を派遣するなどして情報の確認を急いでいます。

稚内の漁船か サハリン南部の港に入る

北海道稚内市の沖合で、ロシアの警備当局の臨検を受けた、稚内機船漁協に所属する底引き網漁船とみられる船が日本時間の28日午後5時半ごろ、ロシア極東のサハリン南部のコルサコフ港に入る様子をNHKの取材班が撮影しました。

港に停泊した船には「第百七十二榮寶丸」と書かれているのが確認できます。

在札幌ロシア総領事館「把握している」

在札幌ロシア総領事館はNHKの取材に対し「稚内沖で日本の漁船がロシア当局の臨検を受けたことについては28日、本国から連絡を受け把握している」と話しています。

外務省「早期に帰港できるよう働きかける」

外務省はNHKの取材に対し「ロシアの警備当局が漁船に対して信号弾や催涙弾のようなものを撃ったという情報が入っているが乗組員や船体に被害はないことを確認している」としています。

そのうえで「漁船が連行されたため人道的な観点から乗組員と船体が早期に帰港できるよう外交ルートを通じてロシア側に働きかけるとともに、乗組員の健康状態や船体の状況の詳細や解放の見通しについて情報提供を求めていく」としています。