札幌市 自宅療養中の4人が死亡 医療体制のひっ迫が深刻

札幌市によりますと、新型コロナウイルスに感染して自宅で療養していた40代から70代の4人が、自宅で亡くなっているのが相次いで見つかりました。
医療の提供体制がひっ迫し、十分な健康観察と治療を提供できていない深刻な現状が浮き彫りになっています。

札幌市によりますと、自宅で亡くなっているのが見つかったのは、40代と50代、60代と70代の男性、4人です。

市によりますと、4人は当初、軽症と診断されていましたが、連絡がとれなくなったため、警察や消防などが今月20日から26日にかけてそれぞれの自宅を訪れたところ、亡くなっているのが見つかったということです。

市によりますと、4人のうち、40代の1人は、入院などは直ちに必要ないとして自宅で療養中でしたが、50代の1人は宿泊療養施設への入所に向けて待機中で、さらに60代と70代の2人については、入院に向けた調整を行っていたということです。

札幌市の幹部は「病床はほぼ満床状態で、入院待ちの人も多い中、最悪の事態が起きた」と話していて、医療の提供体制がひっ迫し、相次ぐ感染者に十分な健康観察と治療を提供できていない深刻な現状が浮き彫りになっています。

札幌 秋元市長「健康観察など態勢を強化」

札幌市の秋元市長は28日の記者会見で「亡くなった方々は当初、軽症で中には医師が入院ではなく自宅での待機で問題ないと判断した人もおり、そうした方々の症状が急変しこのような事態が起きた。症状が突然、悪化する人が増えている状況にあると認識している」と述べました。

そのうえで今後の対応について「27日からはこれまでの保健所に加え、各区に設けた対策室でも電話での健康観察を始めるなど態勢を強化している。血液中の酸素飽和度を測る『パルスオキシメーター』を配る対象を、現在の40歳以上からさらに若い人にも拡大するなど自宅で療養せざるをえない感染者への健康観察の態勢を一層強化していきたい」と述べました。