「コロナに感染したときへの備えが不足していた」40代 神奈川

「コロナに対する知識が圧倒的に不足していた」
「コロナは本当に突然にかかる」
「『あすはわが身』だからこそ、どういう準備が必要なのかを考えておくことが大事だと思った」

ことし2月に感染した神奈川県の40代男性のメッセージです。

寒気や頭痛、胸の苦しさに

神奈川県横須賀市に住む佐竹敦さん(47)は、ことし2月の比較的暖かかった日に寒気や頭痛を感じました。

抗原検査で新型コロナウイルスに感染していたことがわかりましたが、「偽陽性かもしれない」とどこか現実味がなかったといいます。

しかし、その夜胸の苦しさに襲われます。

佐竹敦さん
「明け方2時とか3時ごろ胸が苦しくなったんですよ。そのとき初めて『オレ、コロナにかかったんだ』と思いました。重症化しやすいと言われている糖尿病の持病があるため『ここで死ぬのかな』と命を落とす危険があるんだろうなと思いました」

どこで感染したのか心当たりがない

佐竹さんは初日は自宅療養でしたが、翌日から県内の病院に入院しました。

幸い症状は軽く、感染が確認されてから10日後には退院できました。

佐竹敦さん
「看護師さんは頭から足の先まで防護服を着ていました。20代から30代ぐらいの人に担当してもらいましたが本当に頭が下がります。看護師さんは感染リスクがゼロではないしご心労もたくさんあったと思います」

佐竹さんは外回りの仕事に出た際に1人で外食することはありましたが、マスクの着用や手洗いなどの対策を取っていた上、会食や飲み会に行くこともなく、今も、どこで感染したのか心当たりがないということです。

「感染したときへの備えが足りていなかった」

基本的な対策をしていても感染した経験をして強く感じたのが、感染したあとどのように過ごすべきかという知識と、家族の生活への影響に対する備えが足りていなかったことです。

佐竹敦さん
「初めは自宅療養とされましたが感染者と家族が一緒に生活するというのはあまりにも無理がありすぎます。一緒に暮らす妻や高齢の母に『もしかしたら感染させるかも』という不安が大きかったです」

濃厚接触者とされた妻と母親は検査の結果陰性でしたが、佐竹さんと最後に接触してから14日間は不要不急の外出自粛などを求められることになりました。

佐竹敦さん
「ニュースでも『きょうの感染者は何人』ということが強調されていて、『コロナになったらどういう行動をしなきゃいけないのか』といった情報はやっぱりまだ少ないと感じています。コロナは近くて遠い存在ですよね。私もそうでしたけど自分自身が感染するとか、家族に影響が及ぶとかならないと、なかなかひと事なんですよね」

その上で、こう振り返ります。

「コロナに対する知識が圧倒的に不足していたし、“あすはわが身”だからこそこういう準備が必要だということを知っておきたかったです」

佐竹さんが感じた「事前に考えておくべきこと」

家族に感染させるかも知れないという不安があった佐竹さんが、最も考えておく必要があると感じているのが、同居する家族がいる場合の自宅療養の方法です。

風呂場やトイレなどを家族が使う場合や、家庭内で動くルートを別々にできない場合、どの程度消毒をしてどういった対策をとれば良いのかなどはあらかじめ考えておくべきだとしています。

また、時間的な余裕がないなかで入院した経験から、入院に必要なものも事前に備えておけば良かったと考えています。

さらに家族が高齢であったり体が不自由だったりする場合、濃厚接触者としてPCR検査をする時に、サポートを受けられるかどうかも把握しておいた方が良いとしています。

佐竹さんは感染によって身の回りに起きる変化を少しでも知ってほしいと、自身の経験をつづった本を出版しました。

「コロナは本当に突然かかります。いきなり社会とも家族とも隔離されます。否応なしに対応が求められることになるのでどんな準備が必要なのか、周りにどんな影響を与えるのかということを知識として知っておくことが大事だと思っています」


●参考情報
東京都は自宅療養者向けに、何に気をつけるべきかをまとめたハンドブックを作成し、ホームページ上で公開しています。

新型コロナウイルス感染症 自宅療養中の方へ(東京都HP)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/zitakuryouyouhandbook.html


(取材:横浜局 記者 小林香菜瑛)