“ヒト受精卵”14日超の人工培養 条件付き容認 国際幹細胞学会

ヒトの受精卵を人工的に培養する研究を行う際には、生命倫理の観点から「受精から14日目までに限る」とするルールを設けて、各国が法律などで規制しています。国際幹細胞学会は、不妊が起きる仕組みなどへの理解を深めるうえで重要だとして、14日を超える培養を条件付きで容認し、今後、各国で規制の見直しが進む可能性があります。

ヒトの受精卵は、受精から14日目ごろになると神経のもととなる構造が現れるため、各国は法律などで培養できるのは14日目までに規制していますが、近年、培養技術が進歩し、研究者の間では見直しを求める声が高まっています。

世界各国の研究者で作る国際幹細胞学会は27日、幹細胞研究に関する倫理ガイドラインを改定し、培養を14日目までとすることについて「禁止」の分類から外し、「専門的な審査を受け、承認を得た場合に許可される事項」の分類に変更しました。

ガイドラインでは「体の組織ができることや、不妊が起きる仕組みなどについて理解を深めるうえで重要だ」としていて、実際に培養を行うには各国で認められることが必要だとして「学術団体や規制当局は、研究の科学的意義や倫理的問題について、市民も交えて議論すべきだ」と指摘しました。

日本国内では、14日を超える培養を国の指針で禁じていますが、生命倫理の問題を所管する内閣府の担当者は「今後、専門家を交えて規制の在り方を議論したい」と述べました。

生命倫理が専門の北海道大学の石井哲也教授は「基礎研究の大きな進歩につながるが、培養期間が長くなれば、人としての尊厳や生命の重みは増していく。今後、規制の見直しが各国で進むと考えられるが、慎重な議論が求められる」と指摘しています。