接種会場に行けない高齢者への“訪問接種” 始まる 名古屋

新型コロナウイルスのワクチンを、医師が高齢の患者の自宅を訪れて接種する“訪問接種”が名古屋市で始まりました。

自宅で療養する在宅患者への訪問接種は、名古屋市昭和区にある「かわな病院」が、高齢者への個別接種の一環として27日から始めました。

27日は雨が降る中、副院長の吉俣隆行医師が、ふだんから往診している93歳の男性のもとを訪れ診察し、予診票を確認してから、看護師が新型コロナウイルスのワクチンを接種しました。

そして15分間、男性の体調に変化がないか見守ったうえで、副反応が強く出た場合の連絡先などを家族に伝えていました。

男性は生活のすべてに介助が必要で、家族は「接種会場まで連れて行くのは難しいので、往診で接種してもらえて助かりました。ずっと家にいますが、家族や介護者が出入りするので接種してもらえて安心です」と話していました。

かわな病院では自宅だけでなく、サービス付き高齢者住宅などでも訪問接種を行い、7月中におよそ800人に2回の接種を終わらせたいとしています。

吉俣医師は「訪問でしか接種できない患者が多数いますので、私たちが出向いて、それぞれの療養環境で打つことが必要です。安全にかつ迅速に接種を進めたい」と話しています。