大相撲 平幕の竜電 3場所出場停止処分 外出違反25回繰り返す

大相撲の平幕、竜電が新型コロナウイルスの感染拡大防止のため不要不急の外出自粛などを定めた日本相撲協会のガイドラインに抵触する行動をしていた問題で、相撲協会は、女性に会うため25回にわたって外出違反を繰り返していたとして、竜電を休場した5月の夏場所から3場所の出場停止の懲戒処分としました。

日本相撲協会は27日、東京 両国の国技館で定例の理事会を開き、相撲協会のガイドラインに抵触する行為をして夏場所を休場した竜電の処分について協議しました。

この中で、相撲協会のコンプライアンス委員会は、竜電が去年3月からことし1月までの間に「多くの協会員が窮屈な生活に耐える中、外出禁止違反を繰り返した。所属する高田川部屋では力士が新型コロナに感染して亡くなっているにもかかわらず、女性と25回にも及ぶおうせを繰り返した。違反のほとんどが本場所中で、厳しい非難に値するべきだ」と指摘しました。

そのうえで「弟弟子が死亡する悲劇を経験し他の協会員以上に外出禁止の順守が求められていたのを理解できないのでは、相撲道に反すると非難されても致し方ない。出場停止の懲戒処分とするのが相当だと判断した」と結論づけました。

相撲協会は、委員会の答申どおり、竜電を休場した5月の夏場所からことし9月の秋場所までの3場所出場停止の懲戒処分としました。

芝田山広報部長は、処分の言い渡しを受けるため理事会に呼ばれた竜電について「本人は丁重に『大変申し訳ございません』と言っていた。師匠の高田川親方も『私の指導不足で、これからしっかり指導していく』ということだった」と話していました。

一方、高田川親方に対しては、指導・監督責任は免れないとして20%の減給6か月の懲戒処分としました。

竜電は、3場所の出場停止で幕下以下に番付を下げることが確実で、関取の地位を失うことになります。

竜電とは

高田川部屋の竜電は、山梨県出身の30歳。

平成18年春場所で初土俵を踏みました。

もろ差しが得意の形で、平成24年の九州場所では初土俵から7年近くかけて十両に昇進しましたが、この場所で右股関節の大けがをして一時は序ノ口まで番付を下げました。

その後、地道なリハビリと稽古で番付を戻し、平成30年初場所で新入幕を果たし、よくとしの名古屋場所で新三役の小結に昇進しました。

関取経験者が序ノ口にまで番付を下げながら、三役に昇進したのは初めてでした。

新入幕からの3年余りは幕内に定着していましたが、ことしの初場所と春場所は2場所続けて負け越していました。

前頭14枚目で迎えた夏場所は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために不要不急の外出自粛などを定めた日本相撲協会のガイドラインに抵触する行動をしたことから師匠の高田川親方の判断で初日から休場していました。