成田空港会社 昨年度決算 民営化後初の赤字 新型コロナ影響

成田空港会社の昨年度の決算は新型コロナウイルスの影響で最終的な損益が700億円余りの赤字で、民営化後初めての赤字となりました。

成田空港会社が27日発表した昨年度の決算によりますと、売り上げが前の年度と比べて69.7%減少して718億円にとどまり、最終的な損益は前の年度の244億円の黒字から714億円の赤字になりました。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、昨年度の国際線と国内線を合わせた旅客数が前の年度の7.8%にとどまったことによるものです。

成田空港会社の決算の最終的な損益が赤字になるのは2004年の民営化以降、初めてです。

また、今年度の業績は引き続き感染拡大の影響が続くとして670億円の赤字を見込んでいます。

成田空港会社の田村明比古社長は、記者会見で「ワクチン接種が進んでから航空需要が回復するまでには一定の時間がかかる見込みで、今年度後半から国内線が回復に転じ、これに続く形で国際線も徐々に回復すると想定している」と述べました。

一方、成田空港で8年後の完成をめどに進められている3本目の滑走路の新設計画について田村社長は「需要の回復後を見据えて必要な投資は継続していかなくてはいけない」として予定どおり進める考えを改めて示しました。