中国 「1つの中国」原則に台湾のWHO年次総会参加反対を正当化

WHO=世界保健機関の年次総会に台湾の参加が認められなかったことについて、中国政府は台湾には十分な情報提供を行っていると主張し、「1つの中国」の原則を理由に台湾の参加に反対したことを正当化しました。

5月24日に始まったWHOの年次総会をめぐっては、加盟していない台湾がオブザーバーとしての参加を目指しましたが、中国などの反対で認められず、台湾側は「世界の感染対策に空白があってはならない」などとして強い不満を示しました。

これについて中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は26日の記者会見で「われわれは中台の衛生分野の交流と協力の促進だけでなく、台湾の世界的な衛生面の活動に適切な手配を行っている」と主張しました。

そして、台湾に対してこれまで260回にわたり新型コロナウイルスの情報提供を行うとともに台湾の専門家がWHOの活動に参加することには16回同意したと述べました。

そのうえで「台湾側が世界の感染対策に空白が生じていると政治的なでたらめを言い触らしているのは、民進党が感染対策を利用して台湾独立をはかろうとする口実にすぎない」と述べ、台湾の民進党政権を批判しました。

中国としては、台湾に十分な情報提供を行っていると主張することで「1つの中国」の原則を理由にWHO総会への台湾の参加に反対したことを正当化した形です。