ワクチン 「個別接種」で1回目終えた高齢者30%に 東京 小金井

東京 小金井市では、1回目の新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた高齢者が30%に達し、都内全体の割合より大幅に高くなっています。市は、各自が診療所などで接種を受ける「個別接種」を重点的に進め、住民の意向にきめ細かく対応することで接種のスピードアップにつながっているとしています。

東京都内では、高齢者向けの1回目のワクチン接種を終えたと、23日の時点で国に報告があったのは全体の6.6%にとどまっています。

こうした中、小金井市では市内の今年度65歳以上となる高齢者2万8000人のうち、30.4%にあたる8500人余りが1回目の接種を終えています。

なぜ接種が進んでいるのか。

市や医師会は、各自が診療所などで接種を受ける「個別接種」を重点的に進めていることが接種のスピードアップにつながっているとしています。

市内に大きな医療機関がないことも一つの要因ですが、「個別接種」では、かかりつけ医が患者の意向をきめ細かく把握できるため、ワクチンの接種をスムーズに行いやすいということです。

このうち「小金井メディカルクリニック」では25日、およそ70人の予約が入り接種を行いました。

クリニックでは、患者からの接種の予約を待つだけではなく、患者の体調や次に来院する日付けを踏まえて個別に連絡をとり、希望する人の予約を確保しています。

25日に2回目の接種を受けた66歳の女性は「自分では予約のとり方がわからなかったが、病院から連絡をくれたおかげで接種を受けられた。体調の変化やアレルギー歴も把握してもらっているので助かります」と話していました。

クリニックの院長で小金井市医師会の理事の三澤多真子さんは「患者に積極的にアプローチすることで、なるべくスムーズにできるだけ早く多くの人にワクチン接種を進め、新型コロナの一日も早い収束につなげたい」と話していました。

高齢者への接種について、市は当初の計画を前倒しして、ことし7月上旬までに2回目の接種を終えたいとしています。