政府 ワクチン接種を加速へ 新たな財政支援策を決定

新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるため、政府は、診療所で一定の回数以上、接種を行った場合は国が支払う接種費用を上乗せするなどの新たな財政支援策を決定しました。
また、不足が指摘されている担い手の確保に向けて、救急救命士や臨床検査技師による接種の検討を進めることになりました。

菅総理大臣は25日朝、総理大臣官邸で、田村厚生労働大臣や河野規制改革担当大臣らと会談し、7月末までに高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの接種を完了させるため、医療機関への新たな財政支援や、不足が指摘される担い手の確保策を決定しました。

具体的には、診療所ごとの接種回数を底上げするため、7月末までに1週間に100回以上の接種を4週間以上行った場合は2000円、150回以上の場合は3000円を、それぞれ国が支払う接種費用に上乗せするとしています。

また、診療所を含めて接種を行う医療機関を増やすため、1日に50回以上のまとまった規模の接種を行った場合、1日当たり10万円を医療機関に交付し、こうした接種を7月末までに一定の日数以上行えば、医師には1時間当たり7550円、看護師などには2760円を医療機関に交付するとしています。
さらに担い手を確保するため、医師や看護師による接種に加え、特例で、救急救命士や臨床検査技師による接種も認められないか検討を進めるほか、予診や接種後の経過観察などで、薬剤師や診療放射線技師の協力も得ていくとしています。

一方、政府は水際対策の一環として、インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、モルディブの6か国からの入国者について、今月28日の午前0時から、国が確保する宿泊施設にとどめる措置を6日間から10日間に延長することを決めました。

新たな財政支援策 1回の接種で最大7200円に増額

今回決まった新たな財政支援策で、診療所での接種に対して国が支払う費用は、1回の接種で最大7200円に増額されます。

具体的には、
◇7月末までに1週間に100回以上の接種を4週間以上行った場合は2000円、
◇150回以上の場合は3000円をそれぞれ上乗せします。

国が支払う接種費用は現在、平日の診療時間内で2070円となっており、
▼2000円が上乗せされた場合は4070円、
▼3000円が上乗せされた場合は5070円となります。

また、平日の夜間など診療時間外に接種した場合は、現在2800円、休日は4200円となっているため、同様に上乗せ分を含めると、診療時間外は4800円か5800円、休日は6200円か7200円となります。

河野規制改革相「オンラインや電話で接種予診 検討を」

河野規制改革担当大臣は、閣議のあとの記者会見で「オンライン診療は、特例で解禁されており、今でも可能だ。もう一度、それを周知するための通知を厚生労働省からなるべく早く出すようにしたい。ワクチン接種の予診についてはオンラインや電話で対応してもらいやすくなると思う。各自治体でしっかり検討していただきたい」と述べました。

官房長官「臨床検査技師や救急救命士も打ち手として」

加藤官房長官は、閣議のあとの記者会見で「高齢者への7月末までの接種に向けて、自治体からは打ち手が不足しているという声があり、そうした声も踏まえて、歯科医師のほか、今回、臨床検査技師や救急救命士を打ち手として協力していただく状況を作っていく」と述べました。

そして、臨床検査技師の免許取得者はおよそ20万人で、このうち、
およそ6万6000人が医療機関に勤務しているほか、救急救命士の免許取得者はおよそ6万4000人で、このうち、およそ4万人が消防職員として勤務していると説明しました。

そのうえで、「すべてがワクチン接種に従事できるわけではないが、必要な検査体制や救急搬送体制に支障のない範囲で、関係団体とも相談しながら協力を呼びかけていきたい」と述べました。

一方、診療所での接種費用の上乗せについて「診療所などの接種に手を挙げているところは相当数あるが、いろいろな事情でちゅうちょされているところもあるのだと思う。まずはやってもらえる診療所の数を増やし、接種回数を増やしていく。この両方に対応することで、トータルとして1日当たりの接種回数を上げていきたい」と述べました。