タイで東京五輪代表選手へのコロナワクチン優先接種進む

東京オリンピックの開幕まで2か月を切り、タイでは代表選手への新型コロナウイルスワクチンの優先接種が進んでいます。国民からは優先接種に理解を示す声が多く聞かれる一方、世界的に感染が終息していない中で大会を開催することへの不安の声も上がっています。

タイでは、東京オリンピック・パラリンピックに出場する予定の選手やコーチに対する新型コロナワクチンの優先接種が、ことし3月から行われています。

24日はバンコク近郊の病院でカヌースプリントやボートの選手など9人が、同じく優先接種の対象となっている行政機関の職員とともに接種を受けました。

タイ政府は、オリンピックに参加する可能性のあるすべての選手に対し、今月中に1回目の接種を終えたいとしています。

カヌースプリントに出場する22歳の女子選手は「接種を受けられて少し安心しました。今後も感染しないように気をつけて、本番では決勝に残れるように頑張りたい」と話していました。

タイでは、今月17日にこれまでで最も多い9635人の新規感染者が確認されるなど感染が再び拡大していますが、ワクチンの接種を終えた人の割合は人口の1.5%程度にとどまっています。

国民の間では選手への優先接種に理解を示す声が多く聞かれる一方で、「東京に多くの人が集まることで、世界的な感染拡大の中心地になってしまうのではないか」などと、大会の開催に対する不安の声も上がっています。