日本造船工業会会長「業界は危機的状況 競争力向上が不可欠」

日本造船工業会の斎藤保 会長は24日の会見で、新型コロナウイルスの影響で受注が減り業界は危機的な状況だとしたうえで、国の支援制度を使って最先端の船を開発するなど、競争力の向上が欠かせないという認識を示しました。

日本造船工業会は24日、オンラインで定例の会見を開き、この中で斎藤会長は、日本の造船業界について「新型コロナウイルスの影響に加え、中国や韓国メーカーが国の手厚い支援を背景に受注を確保する一方、日本の受注はふるわず、手持ちの工事も急減して危機的な状況だ」と述べました。

そのうえで、今月、造船業や海運業への国の支援策が法律の改正で拡充されたことに触れ「これらの新たな制度や支援を活用し、自動運航船や、環境性能を高めた船の開発、それに造船所のデジタル化を進めたい」と述べ、競争力の向上が欠かせないという認識を示しました。

日本造船工業会によりますと、日本の造船会社が確保している手持の工事量は先月末の時点で1640万総トンと5年前のおよそ半分に落ち込み、立て直しが課題となっています。