台湾 WHO年次総会に招待なし 閣僚2人が「強い不満」表明

台湾当局は、24日から開かれるWHO=世界保健機関の年次総会についてまだオブザーバーとしての招待を受けていないことを明らかにし、2人の閣僚が連名で「強い不満」を表明しました。

WHOの年次総会は、日本時間の24日午後5時から開かれ、新型コロナウイルス対策での国際的な協力の強化などが議論される見通しです。

台湾は2009年から2016年までオブザーバーとして参加していましたが、2017年以降は中国の反対で招待されなくなりました。

台湾当局は、今回の年次総会への招待についても、24日午前の時点でまだ受けていないことを明らかにし、2人の閣僚が連名で「強い不満」を表明しました。

このうち陳時中衛生福利部長は「ここ数日の台湾での感染拡大は世界の対策に欠けた部分があってはならず、台湾が局外に置かれるわけにはいかないことを改めて示した」と主張しました。
また、呉★ショウ燮 外交部長は「中国は『台湾のWHO参加のために適切な手配をしている』としているが、事実に全く反している」と中国を非難したうえで「WHOには、専門家として中立を堅持し、中国の政治的な干渉を排除するよう呼びかける」と訴えています。

★ショウは「かねへん」に「りっとう」

ことしの年次総会 新型コロナ対策など協議

WHO=世界保健機関の年次総会は、毎年この時期に開かれ、世界的な健康や医療などの課題について194の加盟国が協議します。

ことしは去年に続いてテレビ会議形式で行われ、24日から来月1日までの日程で、新型コロナウイルス対策や今後の新たな感染症に備えた国際的な協力について意見が交わされる見通しです。

加藤官房長官「引き続き関係国と連携 WHOに働きかけ」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「先に開催されたオンライン形式の国際会議『グローバル・ヘルス・サミット』でも、菅総理大臣から『国際保健課題への対応にあたっては、地理的空白を生じさせるべきではない』という旨を述べた。わが国として、従来からその旨をWHO=世界保健機関の場で一貫して主張し、台湾のWHO総会へのオブザーバー参加を、これまでも一貫して支持してきている。今回の総会にあたっても、事前にそのような働きかけを行ってきたところだ。引き続き、関係国と連携し、WHOに働きかけつつ、わが国の立場を明確に主張していく考えだ」と述べました。