パラ競泳 新たに15人が代表内定 金メダル15個の成田真由美など

競泳の東京パラリンピック代表にこれまで、パラリンピックで15個の金メダルを獲得している成田真由美選手や15歳の高校生、日向楓選手など新たに15人が内定しました。

パラ競泳の日本代表は東京大会に27人が出場できる枠があり、おととしの世界選手権で優勝した3人と、23日まで開かれた選考会で派遣基準を突破した5人がすでに代表に内定しています。

残る19人について、日本パラ水泳連盟と日本知的障害者水泳連盟が選考委員会を開いた結果、24日新たに15人の内定を発表しました。

このうち運動機能障害のクラスでは、これまでパラリンピックで日本選手最多となる15個の金メダルを獲得している成田選手が、6回目のパラリンピック出場を決めたほか、14歳の新鋭、山田美幸選手や15歳の日向選手などフレッシュな顔ぶれも選ばれました。

このほか、5大会連続のパラリンピック出場となるベテランの山田拓朗選手や知的障害のクラスの芹澤美希香選手なども代表に内定しました。

また、久保大樹選手など4人は保留扱いとなり今後、障害の程度を決めるクラス分けが済めば代表に内定します。

一方で、リオデジャネイロ大会代表の一ノ瀬メイ選手など8人は補欠に回ることが決まりました。

代表に内定した15人

パラ競泳、東京パラリンピック代表に内定した15人です。

男子

中村智太郎選手

日向楓選手

山田拓朗選手

齋藤元希選手

女子

山田美幸選手

辻内彩野選手

福井香澄選手

井上舞美選手

西田杏選手

成田真由美選手

由井真緒里選手

木下萌実選手

芹澤美希香選手

小池さくら選手

小野智華子選手

内定保留の4人

また、障害の程度を決めるクラス分けで出場資格を満たせば代表に内定する4人です。

男子

久保大樹選手

南井瑛翔選手

長野凌生選手

女子

宇津木美都選手

中村智太郎とは

中村智太郎選手は神戸市出身の36歳。平泳ぎの運動機能障害の9つあるクラスのうち、6番目に障害が重いクラスです。生まれたときから両腕がなく、足で水を蹴る力だけで前に進みます。

「溺れないように」と幼い時から水泳を始め、中学生から本格的に競技に取り組み始めました。
初めてのパラリンピック出場となったアテネ大会では得意の100メートル平泳ぎで銅メダル、ロンドン大会では銀メダルを獲得しました。

しかし、前回のリオデジャネイロ大会では7位となり、再び世界の表彰台を目指して体幹を徹底的に鍛えるなどトレーニングを積んできました。
5大会連続となる東京パラリンピックでもメダル獲得を目指します。

日向楓とは

日向楓選手は横浜市出身の15歳。運動機能障害の10クラスのうち5番目に障害が重いクラスです。生まれたときから右腕は10センチほどで左腕はありません。

兄の影響で小学1年生の時に水泳を始めました。柔軟性と体幹の強さを生かした泳ぎは、特に強いキック力が持ち味で、去年からは競泳で世界選手権に出場したコーチに教えを受けています。

ことし3月の日本選手権では50メートルバタフライでみずからが持つ日本記録を更新。23日まで開かれたジャパンパラ大会でもさらに日本記録を更新し若手の成長株として期待されています。
パラリンピックには初めての出場となります。

山田拓朗とは

山田拓朗選手は兵庫県三田市出身の30歳。運動機能障害の10あるクラスのうち、9番目に障害が重いクラスで、生まれた時から、左腕の肘から先がありません。
「万が一の時に溺れることがないように」という両親の勧めで、3歳の時にスイミングスクールに通い始めました。

パラリンピックには13歳の時に史上最年少でアテネ大会に初出場するとその後、4大会連続で出場。日本競泳チームのキャプテンも務めた前回、リオデジャネイロ大会では50メートル自由形で銅メダルを獲得しました。

スタートから浮き上がりまでの泳ぎ方の改良などを続け、5大会目となる東京大会で自己ベスト更新とメダル獲得を目指します。

齋藤元希とは

齋藤元希選手は山形県大石田町出身の22歳。視覚障害が最も軽いクラスです。小学2年生の時に黄斑変性症という進行性の病気にかかっていることがわかり、今は両目とも視野の中心が欠けています。

幼稚園で水泳を始め、高校3年生の時に一度引退しましたが、大学生になったあとパラ競泳を勧められて選手として復帰しました。
その後、練習環境を充実させようと、パラ競泳の選手が所属していた国士舘大学に編入し、強化を進めてきました。

2018年のアジアパラ大会では3つの銅メダルを獲得していて、23日まで開かれていたジャパンパラ大会でも、得意の100メートル背泳ぎで日本記録を更新する泳ぎを見せていました。

山田美幸とは

山田美幸選手は新潟県阿賀野市出身の14歳。運動機能障害の10クラスのうち、2番目に障害が重いクラスです。
生まれた時から両腕がなく、両足にも障害があるため、ふだんは電動車いすを使って生活をしています。

5歳の時に水泳を始め、去年2月にはより障害が重いクラスに変更になり、専門とする背泳ぎでは主に左ひざの外側と右足の裏側で水を蹴って推進力を生み出しています。
ことし3月の日本選手権では2019年の世界選手権の銀メダルに相当する日本新記録をマークし、一躍、東京パラリンピックのメダル候補に躍り出ていました。

辻内彩野とは

辻内彩野選手は東京・江戸川区出身の24歳。視覚障害が最も軽いクラスです。コーチをしていた父親の影響で小学3年生から水泳を始め、高校生の時には全国大会にも出場しました。

大学1年生のときに視力低下や視野の異常を生じる進行性の難病「黄斑ジストロフィー」と診断されました。
4年前からパラ競泳に本格的に取り組み、抵抗の少ないまっすぐな水中姿勢を武器に次々と日本記録を更新しました。

自由形を得意としていますが、2019年の世界選手権では100メートル平泳ぎで銅メダルを獲得し、この大会、日本女子選手で唯一のメダリストとなりました。
パラリンピックは初めての出場です。

福井香澄とは

福井香澄選手は滋賀県野洲市出身の22歳。知的障害のクラスです。
高校生から本格的に競技として水泳に取り組み始めました。

姿勢が崩れないきれいなフォームが強みで、2018年のアジアパラ大会では得意とする100メートル背泳ぎで金メダルを獲得しています。
パラリンピックは初めての出場です。

井上舞美とは

井上舞美選手は滋賀県守山市出身の22歳。知的障害のクラスです。
兄の影響で水泳を習い始め、現在は地元・滋賀県のスイミングスクールでインストラクターを務めながら強化を進めています。

一時期、体のキレが落ちてタイムを伸ばせませんでしたが、ことし3月の日本選手権では得意とする100メートルバタフライと200メートル個人メドレーで、みずからの日本記録を更新し、復調の兆しを見せていました。
パラリンピックは初めての出場です。

西田杏とは

西田杏選手は埼玉県所沢市出身の24歳。運動機能障害の10のクラスのうち、7番目に障害が重いクラスです。
生まれた時から右足と左腕が短く、ふだんは義足を使って生活していて、水泳は小学生の時に始めました。

専門はバタフライで、2018年の国際ルールの改正でフォームの変更を余儀なくされ、一時、日本代表から遠ざかっていました。
新型コロナウイルスの感染拡大でプールが使えなかった時期に、弱点となっていた短い左腕を筋力トレーニングで徹底的に鍛え上げ、両腕をフルに使った泳ぎを磨いてきました。

23日まで開かれたジャパンパラ大会では、メイン種目の50メートルバタフライで日本記録を更新していました。
初めてのパラリンピックとなる東京大会では、メイン種目の50メートルバタフライ決勝が25歳の誕生日に行われる予定です。

成田真由美とは

成田真由美選手は川崎市出身の50歳。運動機能障害の10クラスのうち、5番目に障害が重いクラスです。
13歳の時に脊髄炎が原因で下半身が不自由になり、23歳で水泳を始めるとパラリンピックには初出場のアトランタ大会から北京大会まで4大会連続で出場しました。
これまでパラリンピックのすべての競技を通じて日本選手最多となる金メダル15個を獲得し、「水の女王」と呼ばれました。

一時、競技の第一線から退いたものの、招致段階から携わった東京パラリンピックの開催決定をきっかけに再び競技に復帰し、大会組織委員会の理事としてバリアフリー環境の整備などにも尽力しています。
障害の影響で肺機能が弱く新型コロナウイルス感染に不安を抱えながらも強化を進め、みずから「最後の舞台」と位置づける6大会目のパラリンピック出場を決めました。

由井真緒里とは

由井真緒里選手は前橋市出身の18歳。運動機能障害の10クラスのうち5番目に障害が重いクラスです。
生まれた時から「ラーセン症候群」という病気の合併症の影響で腰から下が動かず、リハビリの一環として小学1年生から水泳を始めました。

パラリンピックの金メダリストを育てたコーチに誘われて小学5年生から本格的に競技を始め、長い腕を生かした水をかくキャッチ動作を強みに、中距離種目を得意としています。
2019年の5月にはより障害が重いクラスに変更になりました。
パラリンピックには初めての出場です。

木下萌実とは

木下萌実選手は川崎市出身の22歳。知的障害のクラスです。
幼いころは髪を洗うのも難しいほど水が怖かったということで、恐怖心を克服するために小学生の時に水泳を始めました。

メイン種目は100メートルバタフライで、最後まで粘り強く泳ぐレース展開を得意とし、ジャパンパラ大会では日本記録を更新しました。
パラリンピックには初めての出場となります。

芹澤美希香とは

芹澤美希香選手は横浜市出身の20歳。知的障害のクラスです。
小学校に入ってから水泳を始め、柔らかい足首を使ったコンパクトでむだのないキックで推進力を生み出す平泳ぎを得意としています。

メイン種目としている100メートル平泳ぎでは2019年の世界選手権で知的障害のクラスの日本女子選手として初めて決勝に進出し7位に入っています。
パラリンピックは初めての出場です。

小池さくらとは

小池さくら選手はさいたま市出身の20歳。運動機能障害の10クラスのうち、7番目に障害が重いクラスです。

生後11か月でかかった病気の影響で両足にまひがあり、水泳は小学校の授業で自分だけついていけなかったことをきっかけに始めました。
2018年のアジアパラ大会ではメイン種目の400メートル自由形で銅メダルを獲得していました。

小野智華子とは

小野智華子選手は北海道帯広市出身の26歳。低体重で生まれ、両目の視力がなく、視覚障害が最も重いクラスです。
小学生で本格的に水泳を始め高校3年生の時にロンドンパラリンピックに初出場しました。

背泳ぎを得意としていて、その後、リオデジャネイロ大会にも出場し3大会連続のパラリンピック出場を目指していました。
腰のけがの影響でことしにかけて半年程度、泳げない期間もある中で強化を続けてきました。