専門家 大規模接種に期待も“かかりつけ医による個別接種も”

24日から東京と大阪で始まる政府の大規模接種について、専門家は接種が進むことへの期待感を示しつつ、「会場に来られない高齢者のためにかかりつけ医などによる個別接種も進める必要がある」などと指摘しています。

政府の分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は、ワクチンの大規模接種について、「ワクチンの供給自体に一定のめどがたっている中で大規模接種が始まれば、短時間で多くの人が接種を受けられるようになり、遅れている接種が進むと期待している」と述べました。

そのうえで、「離れた場所で暮らす高齢者は利用するのが難しい場合もあるため、かかりつけ医の協力を得ながら地域での個別接種も並行して進めていく必要がある」と指摘しました。

また、一部の自治体で、余ったワクチンが廃棄されていることについては、「平等性を重視する中で、余ってしまったワクチンの扱いについて難しい判断を迫られている自治体もあると思う」と一定の理解を示しつつ、「重要なのはワクチンをむだにしないことで、余ったときに接種会場のスタッフや地域のお年寄りなどどんな人に接種するのかあらかじめ決めておくことが大切だ」と指摘しました。

このほか、カラオケや会食の場でのクラスターが各地で相次いでいることについて「緊急事態宣言による長期間の制限で多くの人が疲れている。ワクチンの接種が高齢者に行き渡れば、重症者の減少が期待できるので、『それまではなんとかして感染を抑えていく』という目標を共有することが必要だ」と述べました。

そのうえで若い世代などに向けて、「感染力の強い変異ウイルスが広がり、若い世代でも感染や重症化のリスクが上がってきている。感染すれば自分も重症化したり後遺症に苦しんだりするかもしれない、知らずに周りの人に感染させてしまうかもしれないという意識を持って、のどの違和感など軽い症状であっても周囲との接触を控えるよう徹底してほしい」と呼びかけました。