米韓首脳 共同声明で中国名指しせず 刺激避けたい韓国に配慮か

アメリカのバイデン大統領と韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領による首脳会談を受けた共同声明で両国は、南シナ海での航行の自由や人権の重要性に言及した一方で、中国を名指しせず、中国を刺激することを避けたい韓国への配慮から、言及を避けた可能性があります。

米韓首脳会談を受けて発表した共同声明で両国は「台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を確認する」と述べ、中国をけん制しました。

その一方で「南シナ海などでの航行や上空飛行の自由を含め、国際法を尊重することを約束する」と述べるとともに「人権の尊重と法の支配を推進していくという立場を共有する」とし、中国を念頭に置いたと見られる表現はあるものの、中国への直接の言及はありませんでした。

これは、先月の日米首脳会談での共同声明が、南シナ海での中国の不法な海洋権益に関する主張や活動への反対を表明し、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況に対して深刻な懸念を示したのとは対照的です。

今回の首脳会談を前に米韓関係筋はNHKの取材に対し、影響力を強める中国への対応が主要な議題の1つとなり、声明で中国にどこまで言及するかが焦点になると明らかにしていました。

このため、中国に対して強いメッセージを打ち出したいアメリカ側に対し、中国を刺激することを避けたい韓国側が難色を示し、中国への直接の言及を避けた可能性があります。

バイデン政権は、中国と対抗していくうえで、日米韓3か国の連携強化をはかりたい考えですが、今回の共同声明からは、各国のあいだに温度差があることが浮き彫りになりました。