新入社員の初任給 据え置く企業が増加 コロナで業績悪化影響か

ことしの新入社員の初任給について、民間の研究機関が大手企業を対象に調査した結果、新型コロナウイルスの影響で去年と同じ金額に据え置いたのはおよそ4分の3に上ったことが分かりました。

この調査は、民間の研究機関「労務行政研究所」がことし3月から先月にかけて東京証券取引所1部に上場する主な大手企業2135社を対象に行い、210社から回答を得ました。

それによりますと、この春に入社した新入社員の初任給について聞いたところ、すべての学歴で去年と同じ金額に据え置いたのは74.3%とおよそ4分の3に上りました。

これは去年の調査より15.8ポイント増えていて、新型コロナウイルスの影響で業績が悪化し引き上げを見送った企業が多いとみられています。

一方、すべての学歴で新入社員の初任給を引き上げたのは全体の17.1%で、去年の調査より15.8ポイント低下しました。

新入社員の初任給の平均額は
▽大学卒が21万3003円(+537円)
▽高校卒が17万2049円(+553円)となっています。

労務行政研究所は「この数年は新入社員の初任給を引き上げる傾向が続いていたが、先行きの不透明さもあり全体的にみると引き上げに慎重な企業が多くなっている。一方で、若手の人材確保を目的に初任給を引き上げる企業も出ていて、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、企業ごとに対応の差が大きくなっている」としています。